2018年2月にアーティストデビューを果たした声優の立花理香が8月29日に2ndミニアルバム『LIFE』をリリースした。
『LIFE』リリース記念に立花にインタビューを実施。この半年間で彼女はアーティストとしてどう変化していったか、そして初の作詞楽曲を含んだミニアルバムについて話を聞いた。
▼声優業にも還元されたアーティスト活動
――わずか半年で2枚めのミニアルバム発売、おめでとうございます。
はやいですね。あっという間でした。2月にミニアルバム『Flora』をリリースして、リリースイベントなどを各地でさせていただいたんですけど、それがすごく楽しかったんです。「アーティスト活動って楽しかったな」って思っていたら、2枚めのお話がきて「えええー!」って。
――『LIFE』の話が立ち上がったのはどのくらいの時期に?
5月くらいですかね。各イベントなどが終わって、一段落しかけたところでした。どういうアルバムにしようかという打ち合わせをするときに、「私も1枚めの『Flora』のときと比べて欲深くなったな」と(笑)。
――それはどういったところで感じられたんですか。
『Flora』のときはアーティストデビューということで、右も左もわからず、目の前のことを手探りで取り組んでいました。でも今回は、意志を持ちはじめまして、いろいろなことを自分から提案していったんです。作詞をしたのもそのひとつですね。
――楽曲のお話はまた後ほどお聞きしていきますね。デビューしてから意識の変化などはありました?
セリフの収録やキャラソンなど、声優の仕事が前よりもっと楽しめるようになりました。多分、これまでキャラクターとしてお仕事をしているだけだったのが、「生身の立花理香」という居場所をいただいたからかもしれないですね。うまく棲み分けを楽しめるようになったというのが大きいのかも。そして、アーティスト活動で培った「こうしたら面白いかも」という考え方が声優業の方でも活かされているというか、遊び心が出せるようになった気がします。
――還元されていっている。前回デビュー記念で買われたイヤモニの調子はどうですか?
はい! 3月11日に開催したバースデーイベントでも使用したんですけど、やっぱり自分のだと思うと愛着がわきますねー! リリースイベントくらいの規模だと使わないこともあるんですけど、また使う場がほしいですね。
――前回『Flora』をリリースして、バースデーイベントやリリースイベントなどで、ファンからの声を直に受け取る機会も多かったと思います。
イベントもそうなんですけど、リリースに併せた生放送のラジオ番組をさせていただいたんですよ。そこで「初披露です」って曲をかけると、感想メールがリアルタイムで届くこともあって楽しかったですね。聴いていただくときのドキドキだったり、それに対しての反応だったり、楽しかったなー。
――ちなみに、楽曲を流したときはどういった反応が多かったですか?
最初は「意外」とか「格好良くてビックリした」といった声が多かったですね。おかげさまで、「ふーん、みんな普段は私のことをそう思っていたんだ」ってわかりました(笑)。ほんとに応援してくださっている方と距離が縮まりましたね。
▼「煽られているのか……?」
――それらを経ての今回の2ndミニアルバム『LIFE』です。まずはアルバムコンセプトからお伺いできればなと。
『Flora』は格好つけたイメージだったので、『LIFE』は肩の力を抜いて、私の日常や私生活といった、等身大に近い立花理香を感じていただければなと思いました。
――ジャケット写真も、前回はクールで格好良いデザインでしたけど、今回は頭に……。
そうなんですよ。これオレンジです! 最初にジャケット撮影をしているときは、もっとキメて撮っていたんですけど、最終的に今回のコンセプト的にはこの写真がいいんじゃないかって決まっていきました。
――たしかに日常感があるような。
ジャケット的には『Flora』と同じく真正面から撮影しているんですけど、今回はだいぶ遊び心があふれているなって我ながら思います!
――より親しみやすさが感じられますね。ここからは楽曲についてお聞きしていきます。まず1曲めは「Brand New」。一日の始まりをイメージさせる楽曲で、まさにアルバムのスタートにもピッタリですね。
私生活を感じていただけるように、1曲めということもあって朝をテーマにしているんですよ。朝起きてから出かける準備をして……といった朝日のキラキラ感を詰め込んでもらいました。ぜひ朝に聴いてもらいたいですね。
――朝のさわやかな感じがジャケット写真ともリンクするようです。特に歌詞も。
結構女子力が高い感じですよね。今回、楽曲をつくるにあたって、作詞家のみなさんに、私のことを知った上で詞を書いていただいたんです。「Brand New」のときは、「私は朝にスムージーを飲みます」と言ったら、それが反映されていて。あと、「すっぴんで外に出るのは無理です!」って話をしたらメイクの話が入っていて、歌詞だけ読むと女子力あるなって思うかもしれないんですけど、ほんとうは「化粧をしないとまずい」みたいな話なんです。私の朝のきれいな部分だけを凝縮していただいています(笑)。
――2曲めの「Shining Memory」はいかがでしょう。
夏のキラキラした思い出を詰め込んだ楽曲になっています。日差しと笑顔と友と夏、って感じですね。「映え」です。
――MVも撮影されていましたね。
私は夏が苦手なので、できることなら引きこもってゲームをしていたいタイプなんですけど、みんなが遊んでいる写真を見ると「いいな」って思う気持ちもあるんですよ。そんな私の理想を詰め込んでいただきました。青空の下、友だちに囲まれて……MVを観ると楽しそうで、自分が羨ましいです。
――これも「映え」というかパリピ感が満載だなって。
今回、自分がいかにゆがんでいるかを実感した歌詞があるんですよ。"後味悪い恋だって 涙と季節モチベーションで なんて素敵なメモリー (笑)[かっこわらい]つけて"という部分で、「かっこわらい」のところで、「お、煽られているのか?」って。
――「かっこわらい」に対する捉え方の違い(笑)。
ストレートに考えたら、「そんなの笑い飛ばしちゃえよ」という意味ですよね。そういったところも、私の理想と現実ですね(笑)。
――3曲めは「TUNE UP」。今回2曲作詞をされているなかのひとつですね。作詞の順番的には。
「TUNE UP」が先でしたね。いろいろ候補の曲を聴かせていただいているなかで、「私、この曲の詞を書きたい!」って思ったんです。でも、すごい良い曲なので、私が作詞をしていいのかは迷いました。書いてみてだめだったらお願いしようと。
――だめじゃなかった、ということですね。
ありがたいことに。
――作詞をすること自体、今回が初ですか?
ラジオの企画でみんなでワンフレーズずつ考えるということはありましたけど、1曲まるまるというのは初めてですね。今回、特に誰かに相談することもなく書いていました。
――ひとりでスラスラと?
スラスラでしたねー。……(スタッフの方を向いて)すみませんでした!
――なにかありましたか。
いやー、意外とギリギリになるものですねえ。最後の方は「締切が~~」って。
――その締切ギリギリまでかかった本楽曲にはどういった想いを込めたのでしょうか。
『Flora』のときにファンの方から感想をいただいたり、リリースイベントやバースデーイベントで一緒に盛り上がったりしたのがうれしかったんですよ。その「ありがとう」という気持ちを歌詞にしたいな、と。でも、バラードで感謝を伝えるのも私っぽくないなと思ったので、明るい楽曲で伝えたかったんです。