7月25日に1stシングル「最悪な日でもあなたが好き。」をリリースした声優・アイドルの芹澤 優。2017年4月にミニアルバムにてソロデビューをした彼女だが、シングルは今作がはじめて。そして、TVアニメ『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』エンディングテーマにも起用されており、こちらもはじめてのアニメタイアップとなる。

  • 芹澤 優(せりざわゆう)。12月3日生まれ。東京都出身。エイベックス・ピクチャーズ、81プロデュース所属。主な出演は今回EDテーマを担当するTVアニメ『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』ヒロインのシェラ・L・グリーンウッド役、今年4月クールのTVアニメ『3D彼女 リアルガール』五十嵐色葉役、『キラッとプリ☆チャン』赤城あんな役など
    撮影:Wataru Nishida(WATAROCK)

今回は、そんなはじめて尽くしの芹澤 優にインタビューを実施。楽曲についてはもちろん、ライブでの盛り上がり方や今年開催されるファンミーティングやバースデーライブについてもじっくりと話を聞いた。

▼「最悪だけどがんばろ!」と思ってもらいたい

――「最悪な日でもあなたが好き。」は念願の1stシングル。TVアニメ『異世界魔王と召喚少女の奴隷魔術』エンディングテーマにも起用されていますね。

はい! 今回の楽曲はHoneyWorksさんがプロデュースしてくださったんですけど、楽曲を聴いたときに、もう一生ついていきますと思いました(笑)。「こういうのが好きです」という希望を長々と送ったんですけど、それらを全部くみ取ってくださって、「やっぱり天才だなあ」って。あと、歌詞を読んだときに「好きってめっちゃ言うやん!」って。

――特にサビなんて一フレーズごとに言いますからね。

この曲に関しては、格好つけていないというか、飾らない印象があるんです。まっすぐに恋する気持ちについて歌っているんですけど、恋をしている人には、ぜひ共感しながら聞いてもらいたいですね。また、恋をしていない人には、「最悪な日でも」とあるように、いやなことがあった日に「セリコに好きって言ってもらっている」みたいな気持ちで聴いてもらえたらと。

――自分が曲の主人公として。

「最悪だけどがんばろ!」と思ってもらいたいですね。

――レコーディングで実際に歌ってみてはいかがでした? 今回はいつも以上にかわいい感じで歌っていますよね。

いろんな人から「ものすごくかわいい感じで歌ってるね」って言われるんですよ。でも、自分では特にそういうつもりではないんですよ。これまでの「Voice for YOU!」とか「PRINCESS POLICY」とかは「アイドル・芹澤 優」というイメージが強かったんです。ギア100%みたいな。今回ももちろん100%なんですけど、肩の力を抜いて、好きな人のことを妄想しながらベッドの上で歌っているような力の抜けた感じが出ればいいなって思いながら歌いました。

――割とリラックスして。

そうですね。あと、HoneyWorksのGomさんが「この歌詞はこういうニュアンスで」と細かく指示をくださったので、その中でどう自分らしく表現していくかを考えました。

――特に印象に残っているディレクションは。

すっごく多いんですけど、"これは恋だ"のフレーズですね。"これは"までは疾走感を残ししつつ、"恋だ"の部分で急に音も少なくなって、歌い方も切ない感じに持っていく。

――これまで押していたけど、引く歌い方になる。

そうなんですよ。"これは恋だ"の前の"だって仕方がない"もサウンド的に勢いがあるので、しっかり歌っているんですけど、"恋だ"で急にストンと落ちる。あと、"痛いんだ これはきっと..."の入りの部分である"い"とかも、しゃくりながらもかすれているようなニュアンス。"ため息だって"出ちゃう"から"ねえもっと教えて"につながるところは、「はあ」というため息から一気に"ねえ"に持っていくので、強い勢いで歌うとか、本当に細かくディレクションしていただきました。

▼見どころは、鎖骨!?

――本曲は恋する女の子が主人公ですけど、歌っていてどのくらい共感していました?

芹澤的にはかなり共感度が高いです。女の子を演じてレコーディングしたというよりも、「芹澤が本当に大好きな人がいたらどんな感じかなー」みたいな、はるか昔の記憶を蘇らせながら(笑)。私の気持ちが結構入っていますね。

――歌詞に登場する相手については。

これはですね、"イジワルなあなたが好き"とか"優しくて不愛想なあなたが好き"ってあるじゃないですか。コミュニケーションを一番に考えている私としてはよくないなと思いますね(笑)。でも、もう関係なしに好きなんですよね。どんなあなたでも愛せる。私もそういうタイプなんですよ。電車乗って恋の歌を聴いちゃう、それもずっと同じ曲をループしてしまうので。

――一途なところがそっくりなんですね。

そうなんですー!

――MVも収録していて、今回は恋する女の子がたっぷり詰まった内容になりましたね。衣装も8着あって。

今回のMVはストーリー仕立てになっているんですよ、これまでi☆RisのMVで少しならあるんですけど、映像の演技ってやったことがないのでつらかったです(笑)。

――バイト先に気になる男の子がいるというストーリーで、相手役の方がいるというのもまた珍しいですよね。

それがまた難しくて。私がレジ打ちの練習をしているときに、男の子からちょっかいを出されるというシーンがあるんですよ。最初はむすっとするけど、ちょっとうれしくて、でもほかのみんなに見られているから恥ずかしい……という演技をしてくださいって言われて、「どんな顔!?」みたいな(笑)。

――難易度高い(笑)。

しかも私は基本的にオーバーリアクション気味じゃないですか。それが映像で見るとすっごい嘘くさくて(笑)。私のナチュラルは世の中のナチュラルじゃなかったんです。めっちゃ味が濃いみたいになっちゃって。コップを割ってビックリするシーンも、「そんな目はまんまるにならないです」って言われて。

――その表情、すごく想像できますね。ランニングしてるシーンも印象的でしたよ。

収録の日は天気が悪くて、雨が降っていて寒くて……。土砂降りの中走っていました。

――なんかもう……全部大変ですね……。そんな中でも「ここが見どころだ」っていうポイントは?

……鎖骨……?

――鎖骨……ですか。

「デート一週間前から女子力を磨いていく」という内容のMVなんですけど、歌い出しの部分で男の子を待っているところから始まるんですよ。その時に着ているワンピースがオフショルダーで、肩とか全部出ているんですよ。見どころは「芹澤のデコルテ」です。

――ちゃんと観なきゃ……。

真面目なところだと、表情ですね。恋愛ソングのMVを撮るのが人生で初めてなんですけど、そういう恋愛ソングを聴きながら道を歩くと、なんか妄想するじゃないですか。その歌詞に合わせた表情になっちゃう。MVでは、そういう表情を、ここぞとばかりに詰め込んでいます。芝居の表情はつらかったんですけど、ワンショットの表情は自分でも天才的な瞬間があるんですよ。

――たしかに部屋でスマホを観てキュンってなっているのとか、すごいかわいいですよ。

かわいいでしょー? 天才的なところが出ている! こういうのがやりたかったので、夢が叶った感はありますね。恋する乙女の表情ってかわいいんですよ。