2017年9月から始まった特撮テレビドラマ『仮面ライダービルド』が、2018年8月26日に放送された「ビルドが創る明日」で、本編最終回を迎えた。地球を自分の体の一部にすることもたやすい地球外生命体エボルトに立ち向った天才物理学者・桐生戦兎/仮面ライダービルドと仲間たちの凄絶な戦いの決着と物語の結末を、涙と希望とともに見届けた視聴者も多いだろう。
だが、戦兎たちの物語はまだまだ終わらない。9月2日より放送スタートする「仮面ライダー」最新作『仮面ライダージオウ』に戦兎と万丈龍我の出演が発表されているほか、万丈を主役に据えた新作Vシネクスト『ビルド NEW WORLD 仮面ライダークローズ』(2019年初旬期間限定上映、4月24日Blu-ray&DVD発売)も控えている。さらに、テレビシリーズ第46話と第47話の中間に位置する物語『劇場版 仮面ライダービルド Be The One』(監督:上堀内佳寿也)もただいま絶賛公開中である。
マイナビニュースでは、戦兎を演じた犬飼貴丈とともに1年にわたってドラマの主軸を担ってきた万丈龍我役の赤楚衛二に単独インタビューを行い、万丈への思い、そしてこの1年について訊いた。
――昨年8月に行われた『仮面ライダービルド』キャスト発表会見からここまで、振り返ってみると早かったですね。
そうですね。実は、映画の制作発表会見の日(6/12)が、顔合わせからちょうど1年だったんです。プライベートで過ごせた時間は本当にあっと言う間でした。でも撮影自体はすごく長かったので、時間の感覚については、いろんな感情が入り混じっています。
撮影では「まだまだここか」と思っても、プレイベートで友達と会うと、「あれ、3か月ぶり?」みたいな感じで、浦島太郎状態でした。ひょっこりはんさんとか、人気のあるお笑い芸人の方も全然知らなかったんです。撮影中はテレビを観る元気もなく、インプットする時間がぜんぜんなかったなって。
――万丈という役どころは、たびたび乗り移られるので大変そうだなと、見ていて感じていました。エボルトが乗り移ったときの"ワル万丈"の時は、エボルトである石動惣一(演:前川泰之)をイメージされていたのですか?
まったくしていなくて、意識したのはむしろスタークでした。僕の格好で石動さんをやっても、特に見ているちびっ子にはあまり伝わらないんじゃないかと。だったらもっとわかりやすいスターク側の動きをメインに取り入れてお芝居しました。
――あらためて振り返って、万丈龍我というキャラクターの魅力はどんなところなのでしょう。
シリーズの最初のうちは、冤罪でつかまり、追われ、大切にしていた恋人(小倉香澄)も消えて、何もかも信じられなかったところからスタートして、そこから成長して立派な仮面ライダーになっている。その"成長ぶり"が魅力なのではないでしょうか。万丈は何事にもまっすぐなタイプなので、いろんなことを受け入れて、もがきながら、壁をぶち壊しながら成長していきます。そうした姿は、見ている人にとっても気持ちよかったんじゃないかなと思いますし、演じ甲斐もすごくありました。
――演じていた中で、「ここは辛かったな」という時期はありましたか。
香澄が消えてしまう第2話「無実のランナウェイ」もめちゃくちゃきつかったんですけど、第21話「ハザードは止まらない」・第22話「涙のビクトリー」は上堀内監督の回だったのですが、戦兎が青羽の命を奪ってしまったという時もきつかったですね。北都との戦争が起きてしまう流れの中で、万丈の心には、香澄も大切だけど、「今生きている大切な人は戦兎だ」という意識がだんだんと芽生え始めていたところでしたから。そんな矢先にこんなことになってしまって……。万丈は基本的にはどんなことでも奮い立たせるタイプなので、なかなかあんなにガッツリ落ちることはないんですけど。