和田さんからのフィードバック


ありがとうございました。まず、足立さんが今回、私自身や私のビジネスについて事前に調査してきたというのがまったく感じられませんでした。まったく調べてきてない人に、営業はできないです。

まずは、相手が「この人ちゃんと調べてきてるんだ」と思えるネタを3つ用意しておく。私だったらブログや出演番組、メーカーだったら新商品やCM情報などですね。きちんと知った上ですすめてくれるのであれば、きっと私に合ったものなんだろうな、と思えるし、聞く姿勢も自然と前のめりになります。そこでまず"つかむ"んです。

あと、トークのなかに「勝手なイメージ」という言葉が2回出てきたんですが、「勝手にイメージするなよ」と思いました(笑) 勝手にイメージされて勝手に商品をすすめられても、「イエス」にはなりにくいんです。

そして、私が「認知を上げたい」とか「20代に知ってほしい」と思っているかどうかを、ほとんど探れていない状態で商品説明されていたのですが、それは「まだ欲しくなっていない状態の人に説明してしまっている」ということなんです。まだ欲しいと思えない状態で説明をされても、人ってまったく頭に入らないんですよね。

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    「まったく調べてきてない人に、営業はできないです」と和田さん

また、商品の説明が表面的で全然響かなかった。ちゃんと掘り下げて、具体的な内容を示しましょう。たとえば、「このページ非常に好評だったんですが、こういう層の人たちがこれくらい見ていたんです。やっぱりこういう悩みが世の中に多いのだと思います。和田さんもそういったことを耳にされたりしますか?」とか、「こういう悩みを抱えた人がこのページに来ている。ここに解決法があれば、知りたいと思うはずなんですよ! そういうところに和田さんの〇〇セミナーの広告を出すと、マッチングするんじゃないかと思います」とかね。それで相手が興味を持ったら、具体的な数字を入れればもっと響きます。で、そういうページはプリントアウトして置いてこれるようにする。

最後に「ご要望があれば」とおっしゃってましたけど、「なぜ20代に認知を広げることが大事なのか」ということをきちんとプレゼンできていないのに、要望なんて出てこないです。「この人たちが5年後10年後、30代になって企業の中核になるんです」とか、「多くの企業さんが20代が育たないことに悩んでいる」とか、「20代を育てること」を「社会全体の大きなニュース」として持ってくると説得力がアップします。そこから商品へと落とし込んでいきましょう。

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    終始納得しきりの足立

足立:ありがとうございました。すごく⋯⋯すごく勉強になりました! とくに「相手のことを調べたネタを3つ出す」って、よく考えればそんなに難しいことじゃないのに、できていなかったと気付きました。

和田:そうなんですよ。「いつも見てます」とか「御社の商品のファンなんです」とか言われると、ファンは大事にしようと思って一生懸命話を聞いちゃうんです。だから、相手のことをちゃんと調べてファンになってから行かないといけない。

そうやって人間同士の付き合いになれば、ほかの営業よりも頭一個抜き出ますよ。これって簡単なことなのに、できないというか、やっていない人が結構多いんですよね。私のセミナーには大手企業の方もたくさんいらっしゃいますけど、研修などでは教えてもらっていないことが多いみたいです。でも実は、"デキる"人たちは自然にやってるんですよね。


10分ほどの営業トークを聞いただけで、的確なアドバイスをたくさんいただきました。足立の顔もなんだか最初より引き締まっている気がします。

さて、続いては2人目のチャレンジャー、浜岡。今度はどんな営業トークが繰り広げられるのでしょうか⋯⋯。中編につづく。

筆者プロフィール: 和田裕美

営業とコミュニケーションの専門家/営業本のベストセラー作家
著書55冊以上、累計200万部超えのベストセラー作家として、ビジネス書から絵本や小説と幅広く執筆中。外資系教育会社でのフルコミッション営業で世界142カ国中第2位の成績を収め、20代で女性初の支社長となった実績を持つ。現在は、自らの経験をもとにセミナーや講演を多数実施、啓蒙活動につとめている。近著に「YESの9割はフロントトークで決まる!」「ぼくはちいさくてしろい」などがある。