タイトルのとおり、外資系教育会社でのフルコミッション営業として、世界142カ国中第2位の成績を収めた経験のある、営業とコミュニケーションの専門家・和田裕美さんに、若手営業マンへのダメ出しをしてもらう、という本企画。

前編中編では、悩める営業マン・足立(仮名)と浜岡(仮名)の営業トークに、実に的確なアドバイスをたくさんいただきました。最後となる今回は、2人のリアルな相談にお答えいただきます。

  • 世界ナンバー2の営業に営業してみたら【後編】―リアルお悩み相談―

    若手営業マンのリアルな悩みとは⋯⋯

調べてきたことではなく"好意を伝える"

浜岡:商談相手について調べてきたことを話題にするとき、どうしてもわざとらしく「調べてきましたよ」とアピールするような言い方になってしまうのですが⋯⋯なにかいい方法はありますか?

和田:受験勉強みたいに覚えたことを次々と話すんじゃなくて、「そういえば御社の新しいCMに出てた○○さんのファンで」とか、「いつも御社の商品を食べているので、今日来られるのうれしかったんですよ」とか、"好意を伝える"ということが大切なんです。目の前にいる人が、自社の商品や自分のファンだと思うと、なかなか無下にできないのが人間の心理ですから。

"怖い担当者"に遭遇したら

足立:威圧感のあるお客様やそっけない態度のお客様に対して、どうしても萎縮してしまいます。

和田:営業において一番大事なのは、自分にも商品にも「自信がある」という雰囲気を出すことです。横柄なお客様を前にすると、営業ってどうしてもへこへこしてしまうんですが、それって自信がないように映ってしまうんですね。そうすると、出てくる商品に対しても「大丈夫なのかな」と不安に思ってしまいますから、売れません。

  • 世界ナンバー2の営業に営業してみたら【後編】―リアルお悩み相談―

    営業なら誰もが経験する「怖い担当者」には⋯⋯

足立:でも怖い人って怖いですよね⋯⋯なにかコツみたいなものはありますか?

和田:私の著書の中でも、「笑顔5秒間キープ」と書いているのですが、人の第一印象って5秒間で決まってしまう。だから、なにを言われてもとりあえず最初の5秒、笑顔をキープするんです。「3分しか時間ないから」と冷たく言い放されても、「3分もいただいてありがとうございます! 」みたいなね(笑) そんな風に切り返されると、「なんだこいつ」と思いながらも、思わず話を聞いてしまうんですよね。それってすごく"デキる営業"に見えるんですよ。