――警察内のシーンでは、例えば饅頭を食べるシーンなどでアドリブを入れているとお聞きしました。そうした細かいところにアドリブをはさむのは、わりとよくあることなのですか。

そうですね。勝手に許可なく入れています(笑)。お茶をもらった時は熱いお芝居をしたりとか。これは現場で急に、お茶をもらうシーンができたことから生まれたものなのですが、単純に受け取るのもつまらないので、もともとの設定にはないけれど、"圭一郎は熱いものが苦手"だという設定を新たに作りました。そういうお芝居の遊びは、ダメって言われたらもちろんやめますけど、言われるまではとことんやってみようと思っています。

――#11「撮影は続くよどこまでも」では、女性になった圭一郎の姿が話題となり、似ているという理由でTwitterのトレンドワードに江角マキコさんの名前が登場しました。

似合っているとは思わなかったですね……。でも江角マキコさんに似ているなとは自分でも多少思いました(笑)。あの回で、圭一郎は女装することをすごく嫌がるのですが、僕自身も本当に嫌だったんです。あの嫌がり方には、圭一郎だけではなくて、結木滉星の要素も若干入っています。だから、かなりリアルな芝居になっているはず(笑)。

――圭一郎については反響がすごくて、以前マイナビニュースでその人気について記事(『ルパンレンジャーVSパトレンジャー』キャラ人気に異状あり、朝加圭一郎がきてる!)を掲載させていただいた際にも大きな反響がありました。結木さんご自身はそうした反響についてどう思われますか?

あの記事、僕も読ませていただきました。自分としては、反響を得るためにやっているわけではなくて、ただ目の前のことに日々取り組んでいるだけなんです。でも、朝加圭一郎という役に対して反響をいただくのは、役者として素直にうれしいですね。

――最近のヒーロー作品でもブレているものがある時に、真っすぐな正義をもった、ザ・ヒーローのような男が現れたのが、視聴者としても新鮮だったのかもしれません。

そうですね。最近のシリーズのレッドは魁利寄りのキャラクターだったからこそだと思います。

――映画の制作発表会見で高尾ノエル役の元木聖也さんが、実は年長組のパトレンジャーチームのほうが騒がしいというお話をされていたのですが、現場ではみなさんワイワイされているんですか?

一括りにされたくないんですよ(笑)。3人の中では僕はそんなにしゃべるほうではないので。

――どなたが一番騒がしいのですか?

緑ですね(即答)。

――劇中そのままなんですね。

お芝居であれだけしゃべっているのに、終わってもよくこんなに元気でしゃべれるなと思うんですよ。3人の中では、一番僕がしっかりしていると思います!

――そもそも元木さんも、奥山さんいわく年上だけど一番子どもっぽいとおっしゃっていましたね。

聖也はパトレン寄りだと思います。一緒にワイワイしてくれますしね。

――ノエルが快盗であり警察でもあるというジョーカー的なポジションとして追加戦士となったことについてはどう思われますか?

楽しそうですよね。警察は警察、快盗は快盗と、それぞれに違う空気をもっていると思うんです。僕は警察なので、片方しか体験できないのですが、ノエルはそこを行き来できて、それぞれに新鮮な気持ちで芝居ができるのでうらやましいなと。あとは単純に、金と銀はズルい(笑)。子どもが大好きな色を、両方とも一人でやってしまうなんて、ぜいたくですよね。

――圭一郎として、結木さんの中で意識が変わった、より一段と圭一郎に入り込むきっかけになったようなエピソードはありますか。

第6話「守るべきものは」ですね。一瞬ブレかけていた圭一郎が、仲間の存在によって、大切なもの、今自分がやるべきことに気づかされます。それから意識が変わっていったように思います。

――#17「秘めた思い」では、ギャングラー怪人ネロー・キルマーによって夢の世界に閉じ込められ、夢の中ではそれぞれの理想の世界が描かれていました。そんな中、圭一郎の理想は「ギャングラーのいない、事件も起きない世界」で、それも非常に圭一郎らしかったですね。

圭一郎にとって、それがブレないところ、ブレてはいけないところですから。