引っ越しの予定がある人も、そうでない人も、間取り図やお部屋の写真を見ながら「ここに家具を置きたいな」「ここでゆったりお茶したら楽しそう」なんて想像をするのが好きという人もいるはず。

そんな家好き&部屋好きにオススメしたいサイトが「物件ファン」だ。リノベーション物件や町家、古民家まで、他ではちょっと見かけない個性的な物件ばかりが紹介されているから、時間を忘れて眺めてしまうこと間違いナシだ。

  • 個性あるお部屋をめでる「物件ファン」がおもしろい!(画像はイメージ)

買う/買わないor借りる/借りないではなく「不動産をめでる」サイト

一般的に不動産ポータルサイトといえば、家を借りたい人や買いたい人をターゲットとするもの。でも、「物件ファン」は趣が異なり、家そのものを見て楽しむ「不動産エンターテイメントサイト」。そのため紹介されている物件は、他では見たことのないような不思議な家ばかり。

たとえば、「マンションなのに中庭がある!?」「水泳の練習ができそうなプール付き」「まるでアニメに出てくるあの家のよう」など、「ほんとにこんな家があるんだ!?」と驚きの連続だ。しかも、物件を紹介する文章にも愛情がこもっていて、「ココで暮らしたら楽しそう」「一度、こんな家で暮らしてみたい!」と思いにかられるはず。

物件を探すためのジャンル・タグも個性的で、「一軒家」「デザイナーズ」「リノベーション」などの物件の特徴をあらわすものから、「豪邸」「シェアハウス」「スケスケ」「土間」「倉庫」「海っペリ」などがあり、「次は?」「他にどんな家があるの?」と時間を忘れて見入ってしまう。

記事は毎月150本ほど公開されているうえに、日本全国の家が紹介されているので、「え、こんなステキな古民家が借り手を募集しているんだ〜」「いつか温泉付きの家に住んでみたい〜」なんて夢は膨らむばかりだ。

昨今は、空き家問題に象徴されるように、借り手が見つからずに困っている建物も多いためか、もともと店舗だったところや倉庫、公民館など、もともとは違う働きをしていた建物が、住宅として貸し出されるようになっているとか。

ゆえに「より個性的な物件」が増えているので、これからもどんな「お宝物件」が出てくるのか、楽しみにしたいところ。

駅からの距離・家賃だけじゃない? 家探しもっと楽しくていい!

そもそも、家探しをするときは「家賃」や「住宅ローン返済額」「駅徒歩○分」などの条件重視になりがち。もちろん、実際に家を探すとなればそうした条件に「優先順位付け」をして進めていくことが「効率的」になるのかもしれないが、そもそも、今ある住まいに自分の暮らしをあてはめるのではなく、「自分が暮らしてみたい生活」を思い描くことこそが、住まい探しのスタートなはず。

「物件ファン」を見ていると、この世にあまたある「条件」よりも、自分の「好き」や「おもしろい」を思い出すことができる。また、「土間がある」「壁一面本棚」のような「自由な発想」や「アイデア」にふれることで、「もしかしたら、これもアリかな」「家を建てるときにはこんな風にしたい!」といった「夢のタネ」とすることができるだろう。

もう一つ、物件ファンを見るおもしろさといえるのが、思いがけない出会いがあること。

たとえば、エリアや探す、マップから家を探すこともできるので、「ココにこんな家が?」「一度は海を見ながら暮らしてみたい」「京町屋で暮らしたい」ということもでき、「自分の住んでみたい街から探すこともできる。または、「同じ予算なら、東京の東側、千葉ならもっと広い家に住める」「2DKを探しているけどロフト付きの1DKもいいかも」と発想を変えることもできるだろう。

思いがけない出会いを「セレンディピティ」というが、この物件ファンは、家探しの「セレンディピティ」に出会えるサイトかもしれない。今すぐ引っ越す予定がなくとも、ぜひ一度、チェックしてみてほしい。

  • 回遊舎

嘉屋恭子

フリーライター。編集プロダクションなどを経て、2007年よりフリーランスで活動。主に住まいや暮らしに関わる分野で取材・執筆を続ける。FP技能士2級取得