東京商工リサーチはこのほど、2018年3月期決算「上場企業1,893社の平均年間給与」調査の結果を発表した。それによると、平均年間給与は前年比1.0%(6万7,000円)増の620万8,000円(中央値608万円)と、8年連続で増加した。伸び率は2017年3月期(0.6%増)を0.4ポイント上回り、2年ぶりに1%台を回復した。
大手総合商社が上位独占
企業別にみると、1位「三菱商事」(1,540万9,000円)、2位「伊藤忠商事」(1,460万9,000円)、3位「三井物産」(1,419万9,000円)と続き、大手総合商社がトップ3を独占。総合商社では6位に「丸紅」(1,322万円)、8位に「住友商事」(1,304万1,000円)などがランクインしたほか、不動産やゼネコン、メーカーなど各業界を代表する大手が上位に顔を揃えた。
平均年間給与1,000万円以上は24社(構成比1.2%)で、前年比3社増加。金額帯別にみると、「500万円以上600万円未満」が555社(同29.3%)と最も多かったほか、「500万円以上700万円未満」の企業が1,092社(同57.6%)と過半数を占めた。
業種別では、「建設業」(728万4,000円)が2年連続首位。以下、「不動産業」(723万6,000円)、「水産・農林・鉱業」(706万4,000円)と続き、上位3業種が700万円台を確保した。一方、最も低かったのは「小売業」(474万7,000円)で唯一の400万円台となった。
業種別の増減率をみると、10業種のうち、「金融・保険業」(前年比0.1%減)を除く9業種で前年より増加。伸び率1位は「不動産業」(同2.7%増)で、同調査では「都市部を中心に不動産市況が業績に寄与した」と分析している。