――コスチュームといえば、ゴーオンジャーとゴーオンウイングスは戦闘中にヘルメットを取るシーンがあって、逢沢さんや杉本さんもヒーローのスーツを着ることが多かったと思います。あのスーツを着た感じって、どんなものなのでしょうか。

杉本:ゴールドとシルバーのスーツは特に風を通さない素材だったこともあり、夏場の撮影はすごく暑かったですね。中が汗でびしょびしょになったりするので、予定を見て今日はメットオフか~と思うと、ちょっとイヤだった(笑)。

逢沢:イエローのスーツも暑かったですね。身体にフィットしてパツパツでしたから、スーツアクターの方たちがカッコいい立ち回りをこなしているのを見ると、本当に凄いなと思います。

――ケガレシアのコスチュームも、怖さというよりもコミカルな空気が強いような気がします。でもそれは及川さんが着ていらっしゃるからにじみ出る、明るさなのかもしれません。

及川:ケガレシアは最初の3話めくらいまでは、怖い悪役のつもりで演じていたんですよ。GP-4で初めてロケに行ったとき、イエローから「おばさん」と言われてキーッと怒る場面があって、そのあたりからだんだんコミカルになっていった感じでしたね。

逢沢:顔が真っ赤になったんですよね(笑)。

――ケガレシア、ヨゴシュタイン、キタネイダスの「3大臣」がいいチームワークで、人気がありましたね。

及川:そうなんですよ。3人でオイルをお酒みたいに飲んでね。やけ酒じゃなくて、やけオイルって(笑)。テレビでは終盤にヨゴシュタインが2人を残して散ってしまったんですが、今回の『10 YEARS』ではひさびさに3大臣勢ぞろいできて、うれしかったですね。

――アクションシーンでの思い出はありますか?

及川:テレビシリーズの最後のほうで、ワイヤーに吊られながら立ち回りをしたのを覚えています。スタントの方が演じられるのではなく、ちゃんと自分がやっているとわかるよう、顔をはっきり撮っていただいて。

杉本:ジェットコースターはダメでも、ワイヤーは平気なんですか(笑)?

及川:うん。補助についてくださる方がいるじゃないですか。コースターは機械だけど、人間のほうが信じられる(笑)。

――テレビシリーズや映画版では、みなさんいろいろな衣装を着ていましたが、当時のお写真をご覧になって思い出に残っているシーンなどがあったら教えてください。

逢沢:夏の劇場版『BunBun!BanBan!劇場BANG!!』の京都ロケ(サムライワールドという設定)なんて、よく覚えていますね。着物姿になったとき。

杉本:GP-42「学園ノヒミツ」で、セーラー服を着てヨーヨーを持った思い出があります。実は……つい最近も舞台でセーラー服姿になったことがあったんです(笑)。

及川:このセーラー服姿、可愛いよね~!

――Vシネマで再会されたキャストのみなさんで、10年経っても話題に出るような、印象的な出来事があったら教えてください。

及川:夏の映画で、京都ロケではケガレシアの出番がなかったのに私が「京都に行きたい!」と言ったら、わざわざ役(居酒屋の女将)を作っていただいたという話がまずありまして。そのときのことで古原くんに「奈央さん、みんなでご飯を食べに行ったとき、そこのお店のおいしい日本酒をぜんぶ飲み干したんだよね」って、今でもイジられます(笑)。もちろん、みんなで飲んでたんですよ。でもそのとき「もう日本酒ないですよ」って言われたのは事実です!

杉本:テレビシリーズが終わって、全国をめぐるファイナルツアーをやったんですけれど、その途中で20歳の誕生日を迎えたことを覚えているんです。毎回、地方へ行くごとにおいしいものを食べることができましたし、とてもいい思い出になりました。

逢沢:テレビ本編もたくさん思い出がありますけれど、秋からレギュラーで出演した後楽園ゆうえんち・スカイシアターでのライブショー(現在は東京ドームシティ・シアターGロッソ)が印象深いです。野外のステージだったので、雨の降る中でアクションをやったりして、すごく寒かったことも鮮明に記憶しています。私たちの代でスカイシアターは最後となったこともあり、ステージを体験することができてよかったなと思いました。それまでスーパー戦隊の先輩たちがずっと出て来られたあの場所に、最後に立つことができてうれしかったです。

――杉本さん演じる美羽は、テレビシリーズではGP-17「正義ノツバサ」で兄・大翔と共に「ゴーオンウイングス」として初登場しました。いわゆる「追加戦士」として男女ヒーローが出てきたのは本作が初の試みでしたが、杉本さん自身はチームの空気にすぐなじみましたか? そして、逢沢さんは杉本さんが加わったとき、先輩ヒロインとしてどう思われましたか?

杉本:キャストのみんなとは、すぐなじむことができましたね。でも始まったばかりのときは「戦隊」独特の撮影方法に、少し難しさを感じていました。とはいっても、みんなには負けたくない!と頑張って、必死でやっていました。アニ(大翔)役の徳山さんはすでに『仮面ライダー』を経験(『仮面ライダーカブト』キックホッパー/矢車想)していることもあり、とても助けていただきました。

逢沢:私は年齢が下ということもあって、先輩という感覚はなかったですね。逆に、すごくキレイな人が来たな~って(笑)。

杉本:(照笑)

逢沢:やっぱり芸能人ってこんな人なんだなあって思うくらい、かわいくてキレイで、お姉ちゃん~!って感じがありました。

――みなさん10年前と変わらないどころか、より美しくなられている印象なんですけれど、ゴーオンジャーのメンバーの中で10年前と比べていちばん印象が変わった方がいれば教えてください。

杉本:だんぜん、碓井(将大:ゴーオングリーン/城範人)くんですね!

及川:背が伸びたしね。

杉本:すごく身長伸びたって言っていました(笑)。

及川:あと、筋肉もついたんだよね。

杉本:片岡くんと一緒にジム行ってるらしいです(笑)。2人で体をイジめあっているって。

及川:碓井くんはりなちゃんと同じ年齢だったよね。

逢沢:そうですね。碓井くんかわいかったんですよ(笑)。

杉本:今でも細いんですけれど、すっかりたくましくなったよね。逆に変わってないといえば……。

及川:古原くんだよね(笑)。

杉本:ぜんぜん変わっていない。10年じゃなくて3年くらいしか経ってない感じ(笑)。

及川:でも、レッドがぜんぜん変わってなくて「戦隊」的にはよかったと思う。昔にすんなり戻ることができた感じですよね。

杉本:男性陣はみんな、昔よりも今のほうがフランクに、何でも話せる感じですよね。

――最後に、Vシネマ『 ゴーオンジャー 10 YEARS GRANDPRIX』における杉本さん、及川さん、逢沢さん、それぞれのおすすめポイントを教えてください。

杉本:私は、アニとの関係性がまた面白いことになっています(笑)。須塔兄妹ならではのやりとり、見せ方がありますので、ゴーオンウイングスのファンの方に楽しんでもらえるのではないかと思います!

及川:ケガレシアのおすすめポイントは、やっぱりケガイエローへの「変身」ですね(笑)。初めて変身できたのでうれしかったです。変身ポーズも、レッドとブルーにその場で教えていただきました。ぜひお楽しみください。

逢沢:今回は早輝が仲間と離れて行動するというストーリーですが、早輝のゴーオンジャーへの「思い」がどのようなものなのか、その心の動きに注目していただきたいです。

(3人そろって)どうぞよろしくお願いします~!

逢沢りな(あいざわ・りな)
1991年生まれ。東京都出身。2006年に芸能界入りし、2008年『炎神戦隊ゴーオンジャー』で女優デビュー。以後、テレビドラマ、映画、舞台と幅広く活躍するほか、モデルとしても積極的に活動を行う。

杉本有美(すぎもと・ゆみ)
1989年生まれ。大阪府出身。小学生時代からジュニアモデルとして活躍し、2007年より女優としても注目される。『炎神戦隊ゴーオンジャー』ではGP-17(第17話)よりゴーオンシルバー/須塔美羽役でレギュラー入り。

及川奈央(おいかわ・なお)
1981年生まれ。広島県出身。『炎神戦隊ゴーオンジャー』では悪の蛮機族ガイアークの害水大臣ケガレシアを演じ、好評を博した。映画『仮面ライダー×仮面ライダーW&ディケイドMOVIE大戦2010』(2009年)ではセクシーな怪人「蜂女」を演じている。

逢沢りな着用衣装
・トップス/アメリカンホリック(アメリカンホリック プレスルーム)
・ワンピース/ランダ
・靴/ランダ

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