友人を招く際には許可が必要、深夜の洗濯は禁止……など、シェアハウスごとに細かなルールはあるものです。でも、初めてシェアハウスに住む人にとっては、どんなルールがあるのか想像するのは難しく、実際に住んでから「こんなルールがあるの!?」と戸惑うこともあるかもしれません。

そこで、実際にどんなルールがあるのか、入居前にチェックしておくべきルールはどんなことなのか、All About「ルームシェア・シェアハウス」ガイドの阿部珠恵さんに伺いました。

――シェアハウスに住みたい人が、入居前に確認しておいたほうがよい生活上のルールには、どんなことがありますか?

「まず前提として、シェアハウスによってルールは大きく異なります。私が長く住むシェアハウスはあまり大きなルールはありませんが、数十人が住んでいるような寮タイプなど、事業会社が運営しているシェアハウスでは、さまざまなルールが設定されることが多いようです。こうしたシェアハウスは、基本的に事業会社側でルールを決めています。

  • ルールは
  • 共有部の使い方に関するルール(キッチンはきれいに、靴はしまう、私物は置かないなど)
  • 外部の人の出入りについて(宿泊は禁止)

に関するものが多いです。

例えば、

  • 入浴の時間はなるべく30分以内
  • 深夜に共有部を使う時には静かに
といった注意書きがされていることもあります。

基本的に、シェアハウスの広さや設計に応じて、他の住人の迷惑にならないようにという配慮からです。それをふまえて考えると、仕事柄、夜遅めの時間に帰宅して自炊や入浴をしがちな人は、人数が少ないシェアハウスで、住人が早寝の人が多いというところは向かないかもしれません。大型の寮タイプのシェアハウスであれば、さまざまな生活スタイルの人が一緒に生活しているため、あまり生活時間の違いは気にならないことが多いでしょう。このように、ルールだけではなく、シェアハウスの生活スタイルなどについても、内見の時に聞いてみるのがオススメです」

――なるほど、自分の生活と合っているかが重要なのですね。

「一方で、友人同士が集まって住むタイプのシェアハウスは、家によってルールは千差万別です。

  • 友人を連れてくる時はLINEの専用グループで事前に共有する
  • 冷蔵庫に入れるものには名前を書く
  • 掃除の持ち回り当番がある

などなど、このあたりは個性がありすぎて一概にこうと言えないので、もし友人のシェアハウスに誘われて、ルールが気になっている場合、一度遊びに行って、直接聞いてみるのがよいでしょう」

――今までに見聞きされた中で、珍しいルールや変わったルールにはどんなものがありましたか?

「友人同士が住むタイプのシェアハウスは、面白いルールの宝庫です。例えば料理。基本的に各自が自分の食材を管理して自炊するシェアハウスが多いのですが、とあるシェアハウスでは、マーボー豆腐を作りすぎたらしく、中華鍋に『1皿100円』と書いてあって、その住人の貯金箱に100円を入れたら食べてよい、なんていう食事シェアの仕組みがありました。また、私の住むシェアハウスでは明確な掃除当番がない代わりに、2か月に1回、『大掃除の日』を設けています。この日だけは、住人は他の用事よりも大掃除をなるべく優先して集合し、各自の担当となるエリア(リビング、トイレ、お風呂、キッチンなど)を1時間徹底的に掃除するというものです。共有部がきれいに保たれやすくなりますし、皆があれこれ会話しながら掃除に励むので、住人同士も仲良くなる気がします(笑)」

このように、シェアハウスごとにさまざまなルールがあるということなので、自分の生活スタイルに合ったところを見つけるには、事前の確認が大切ですね。ぜひ内見の時に詳しく聞いてみましょう!

《取材協力》
阿部 珠恵 さん
All About「ルームシェア・シェアハウス」ガイド。20軒以上のシェアハウスを取材し、自らもシェアハウスに7年以上暮らす。著書に「シェアハウス わたしたちが他人と住む理由」(辰巳出版)、連載に「結婚してもシェアハウス!」(幻冬舎plus)。 https://allabout.co.jp/gm/gp/1293/
著書/https://www.amazon.co.jp/dp/4777810542
連載/http://www.gentosha.jp/category/kekkonshitemosharehouse