アニソン定額聴き放題サービス「ANiUTa(アニュータ)」が主催するアニソンフェス「アニュータライブ 2018『あにゅパ!!』」が5月13日、千葉県・幕張メッセイベントホールにて開催された。本ライブイベントは、今をときめくアニソンアーティスト全6組が出演しての豪華なものに。もちろんそこに集まったアニソンファンも大盛り上がりの1日となった。

  • 「アニュータライブ 2018『あにゅパ!!』」

▼人気曲連発で、序盤から高ぶり続ける幕張メッセ

オープニングアクトとしてアニソンDJ・後藤王様が数々の名曲を次々に投下。開演前から会場のテンションを爆上げしたところで、プレイリスト選択画面を模したOP映像が上映。出演者を紹介すると、その中からトップバッターとして“選択”されたのはfhána。

interludeとともに4人が登場すると、まずは「Hello!My World!!」からライブスタート。この曲が起用されたTVアニメ『ナイツ&マジック』のOPの映像を背負いながらの歌い出しには大きな歓声があがる。towana(Vo.)の歌声は今日も空間を切り裂き突き抜けゆくようなもので、なおかつカウントの難しい跳ねるようなメロディの曲を、楽しそうに乗りこなしていく。

続く「わたしのための物語 ~My Uuncompleted Story~」も、頭サビから大盛り上がり。爽やかなシンセストリングスの映えるこの曲を続けることで、まずは爽快感のある2曲をぶつけてきた形となる。また、2サビ明けには佐藤純一(Key./Cho.)、yuxuki waga(Gt.)、kevin mitsunaga(PC./Sampler.)の3人によるプレイがぶつかり合い、サウンド的な見せ場もきっちり作る。また、ミドルナンバー「ムーンリバー」でもtowanaのハイトーンヴォイスは健在。そこにサウンドに合わせ、たゆたうような感じもうまく現出させていた。また、2サビ明けでは再びのメンバーのプレイに、今度は内側を向いてセッション感を出す場面も。 曲明けのMCでは、towanaが「アニュータならではのセットリストに」と宣言。続けて3月にリリースしたアルバムと、それを引っさげてのツアーについて佐藤が触れたところで、その流れでアルバムのリード曲「World Atlas」の披露へ。

kevinが先導してのクラップを背に、希望の見えるミドルナンバーを歌い届けていく。落ちサビは、そのクラップとKey、そしてtowanaの歌声だけで構成され、ここに「みんなで作った世界」が見事に構築される。最後は佐藤とkevinも交えた3人の歌声の掛け合いで大団円感を出すと、towanaの「思いっきり踊ってください!」の言葉からラストナンバー「青空のラプソディ」がスタート。

fhána随一のハッピーチューンに対して、ボルテージの上がった観客からはイントロから大きなコールが上がる。また、サビでは話題となったMVのダンスをtowanaが披露する一方で、それを見事に完コピしてともに盛り上がっていく観客も多数。あらゆる意味合いで浸透したこの曲で、fhánaは観客に“楽しさ”という感情を残してくれた。

そこからANiUTa配信曲・アーティストを用いたVTR「ANiUTaしりとり」がスタート。「fhána」からはじまりメドレー形式で数々の名曲が流れ観客の熱を落とさず、最後には坂本真綾の「CLEAR(クリア)」から2番手「i☆Ris(アイリス)」へバトンタッチ。まずは「ドリームパレード」で階段上ステージへ登場。サビで歌詞に合わせてその階段が虹色に輝くという、粋な演出も会場を沸かせる。彼女たち自身も1曲目から実にエネルギッシュなステージを展開。2サビ明けの片足立ちは相変わらずブレがなく、ラインダンスでの蹴り上げも非常に高い。1曲目からの、安定のパフォーマンスだ。

この日のi☆Risはアグレッシブな楽曲揃いで、2曲目もハイテンポなナンバー「Shining Star」。全国ツアーの真っ最中ということもありここでも完全に「仕上がって」いるi☆Ris。ダンスの面では若井友希が一段と大きくキレも伴っており目立つもので、かと思えば2サビ明けのダンスタイムでは芹澤 優の飛び上がりが一段と高い。加えて澁谷梓希の声の出方も冒頭2曲から非常によく、歌声の面で観客を引きつけていく。

そして今度は、『魔法少女サイト』OPに起用されている新曲「Changing point」を、OP映像をバックに披露。ハードな楽曲らしい激しいパフォーマンスの中でもボーカルは変わらずしっかりとしたもので、1-Bでの山北早紀のソロのかっこよさには耳をぐっと惹きつけられる。また、作品にメインキャストとして出演もしている茜屋日海夏が受け持つDメロのソロも、ほんのワンフレーズにもかかわらず音源を遥かに超えた生々しさを持つもので、作品とのリンクも含めて思わずゾクリとさせるような力を持っていた。

曲明けにはコール・アンド・レスポンスで再び会場を明るく盛り上げると、「Realize!」を披露。サビで猛烈な切れ味を発揮する芹澤のダンスと、サビ締めのジャンプで一段と高く跳び上がる山北のパフォーマンスに、圧倒された観客も少なくなかったのではないだろうか。

そしてラストはこの春リリースされたシングル「Memorial」。こちらもOPに起用された『アイドルタイムプリパラ』のOP映像をバックに、最後までテンポの速い楽曲に乗せて全力のパフォーマンスをみせる。そのなかで、久保田未夢が合間に見せる、笑顔での客席の目線の配り方が実にうまく、Dメロでは歌詞に合わせて両手ピースを織り交ぜるなど「えも」い場面も。グループとしても、そしてそれぞれが個人としても見せ場を作りまくった5曲を披露し、i☆Risはステージを降りた。

▼ギターを提げた2組のSpecial Artistの、沸かせ方は好対照?

ここからは、2組続けてSpecial Artistの登場。まずは大原ゆい子がステージに立ち、『からかい上手の高木さん』OP映像をバックに、この冬絶大な支持を集めた「言わないけどね。」を甘くみずみずしい歌声で披露する。ギター1本を携えステージに立つ大原、少々緊張しているような様子も感じられるが、その笑顔は次第に柔らかいものとなり、最後には会場中を爽やかな青春の空気で包んでいった。

曲明け、実は昨年の「あにゅパ!!」に客席側で参戦していたと明かした大原。今年はステージ側に、しかも地元・千葉でのステージに立てる喜びを口にする。そして続けて「今日は、ちょっとだけよく眠れる魔法をかけに来ました」と語ると、『リトルウィッチアカデミア』のED「星を辿れば」を披露。ミドルテンポで落ち着けるナンバーにも、彼女の甘い歌声はよく合う。しかもこちらでは単に爽やかなだけでなく、より強く想いの現出したようなクセも歌声に乗せ、深く深く歌い切ったのだった。

続いて登場したのはオーイシマサヨシ。まずはMCで、開演前のエゴサ結果から観客の欲望にツッコミを入れつつ、「まるで動物みたいじゃないですか?」と観客を煽る。そして「今日の会場、東はこっちで西はあっちです!」とその期待を確信に変えると、グリーンに輝く客席を前に「ようこそジャパリパークへ」をセルフカバー。楽曲自体絶大な人気を誇るこの曲を確固たる歌唱力で披露することで、一発で会場を味方につけてみせた。

そして続けてギターを提げたオーイシが歌い始めたのは、あにゅパじゃなきゃ……もとい「君じゃなきゃダメみたい」。ギター1本でステージに立つオーイシを前に客席はライブハウスのような盛り上がりをみせ、オーイシもDメロ直前のハイトーンすぎるシャウトで観客を魅了。最後にはサビの一部を観客に委ね、さらに一体感を高めていく。

そしてダンサーを呼び込んで、新曲「オトモダチフィルム」の披露へ。自らも踊りながら、またもキャッチーなナンバーを歌唱。「ダンスに自信がない」と言ってはいたものの、Bメロでの互い違いの脚の動きなど織り交ぜられた複雑な動きもしっかりこなしていた。

歌唱後、「楽曲提供アーティストがたまたまいる」と切り出したオーイシ。ということで「カバーせざるを得ない」と内田真礼の「モラトリアムダンスフロア」を歌い始める。すると冒頭フレーズの歌唱後に、階段ステージ上にひょっとこのお面をつけた内田真礼が登場。「フカバーにご本人登場」いうめったにお目にかかれないシチュエーションに、観客は大盛り上がり。オーイシも内田も、とにかく楽しそうに1曲を歌いきった姿が強く印象に残る1曲でもあった。