結婚をした際に決めておきたいこととして挙げられるのが、「お金」と「家事」の分担です。

内閣府男女共同参画局男女共同参画書(概要版)平成29年版によると、平成28年の共働き世帯は1,129万世帯。対する男性雇用者と無業の妻(=専業主婦)からなる世帯は664万世帯となっており、過去の推移から見ても、共働き世帯は年々増加しています。

夫は外で働き、妻は家庭を守る時代から、夫婦で働き、夫婦で家庭を守る時代と変化してきていることがわかります。

夫婦共働き子供なしDINKSのお金

夫婦共働き子供なしのDINKS時代は、世帯として最もお金が貯められるときです。この時期に夫婦で話し合い、時にはプロに相談しながら今後のライフプランと、貯蓄計画を立てることが後々の大型出費に備えやすくなります。

夫婦のお金の管理方法はひとつではありません。夫婦それぞれの形があるように、管理の方法も夫婦それぞれ違いますが、大きく分けて、4タイプに分類することができます。

Aタイプ 共通財布

夫婦の収入を全てひとつの財布や口座に入れて、貯蓄や全ての出費を管理する方法です。家計と貯蓄がクリアになりやすいメリットがあります。お互いが同じ目標と意識を持つ夫婦に向いていますが、どちらか一方が家計に無関心だと一方に管理の負担と責任が重くなり、不満が出やすくなるデメリットも。

Bタイプ 一部共通財布

生活するにあたってかかる固定費や公共料金などのお金を共通口座や財布にそれぞれが一定額入金して、その中からやりくりするもの。残ったお金は、それぞれの貯蓄やおこづかいに自由に使える。貯蓄もそれぞれがやることになるので、全体の貯蓄額が把握しにくくなるデメリットがあります。

Cタイプ 別財布

共通口座や財布は持たず、各自が分担して払います。例えば、夫は住居費と光熱費を払い、妻は他食費や日用品といった生活費を払うなど。貯蓄もそれぞれが行うため、世帯としての家計や貯蓄に無関心になりやすいといえます。

Dタイプ 1財布1貯蓄

どちらか一方の収入で全てやりくりして、どちらか一方の収入は全て貯蓄します。収入が多い方の収入でやりくりするのが一般的です。収入差がある夫婦や一方の収入をほぼ貯蓄することで、貯蓄のペースを速めたいときにも良い方法です。また、子供が生まれたら退職をして子供がある程度大きくなるまでは専業主婦(主夫)を希望する世帯にも向いています。

どのタイプを選択するにしても、ひとつの家庭としてどのようにプランニングしていくかを明確にしながら、その時々に合った方法で管理と貯蓄をしていくことが望ましいです。家族が増えたときや住宅購入など大きなイベント時は夫婦で考えても難しい場合はプロの提案を受けるのもいいでしょう。

お金で揉めるとそこから夫婦の間に亀裂が入ることも少なくありません。早めにお互いのお金に対する意識を確認してお金の流れと貯蓄の仕組みを作りましょう。お金の流れとは、収入に対して出て行くお金の流れです。それらをどのように払い、管理をしていくか。貯蓄の仕組みとは、どのイベントにいくら貯めるのか、それらの貯める仕組みを作ることです。

自分が自由に使えるお金を増やしたいと考えることは当然のことかも知れません。しかし、貯蓄優先に考えて行動をすることで、後々のイベント時に「貯めておいて良かった」と思え、家族の絆も深まることでしょう。その反対は、不信感に変わるので注意が必要です。

お金の分担が決まったら次は家事分担です。夫婦共働き世帯ではお互いが働き、どちらかが何かしらの家事を行います。この部分もある程度決めていかないと、不満の芽が出てきます。次回は家事分担とお金について解説していきたいと思います。

丸山晴美(まるやま はるみ)

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外国語の専門学校を卒業後、旅行会社、フリーター、会社員、コンビニ店長へと転職。22歳で節約に目覚め、年収が350万円に満たないころ、1年で200万円を貯める。26歳でマンションを購入。2001年に節約アドバイザ―として独立。ファイナンシャルプランナー、消費生活アドバイザーの資格を取得し、お金の管理、運用のアドバイスなどを手掛け、TV、雑誌などで幅広く活躍している