24日(21:00~)にテレビ朝日系で放送される片岡鶴太郎主演ドラマ『森村誠一ミステリースペシャル ガラスの密室』。片岡は、寡黙にして実直、執念の捜査で事件の奥底に潜む真相に迫る新宿西署のベテラン刑事の牛尾正直を、96年より22年間演じ続けてきた。長年続く『終着駅シリーズ』のシナリオ制作の秘話を、佐藤凉一プロデューサーが明かした。

  • 『森村誠一ミステリースペシャル ガラスの密室』

    片岡鶴太郎 -テレビ朝日提供

佐藤Pは「常に脚本家さんには森村誠一先生の原作を5~6冊以上読んでもらっています」と明かす。どの作品を映像化するのか考えることをスタート地点に、“この原作ならば、こんな風にアレンジできるのでは”とか、“こういうテーマが描けるのではないか”などと脚本家と相談を繰り返し、1本に絞っていくという。原作を選んだ後も、時代性も考慮してトリックを見直すなどをし、プロットを完成させる。その上で脚本の執筆に入るため、原作を選ぶところから約半年がかかると佐藤Pは話した。

ここまで時間を費やす理由を佐藤Pは「原作者の森村誠一先生との信頼関係があるからこそできることなのですが、原作から何をすくい取って、どんなドラマを構築するかという作業が僕らにとっては最も大事な仕事であり、ドラマの“命”だと思っているんです」と説明する。

また、シナリオ作りでもっとも大事にしていることについて、「牛尾の目線、つまり牛尾が捜査上でどんなことに引っかかるのか、そして最後に犯人に何を語り掛けるのかをいちばん大事にしています」と話す。

そして台本を手に取ったときには、「打ち合わせを積み重ねて、すでに何度も繰り返し読んできたはずなのに、刷り上がった台本を手に持つと、何かが違うんですよ」と言い、「製本された台本を1ページ目から繰って読み直すと、制作者であるはずの自分自身が『いい作品だな~』とジワッときてしまう」と笑顔で明かした。

『終着駅シリーズ』を「2時間見終わって何も残らない作品にはしたくないな、と思っています」とも語る佐藤P。「もちろんこの作品はエンターテインメントであって、文芸作品を目指しているわけではないのですが、見終わった時に10秒でも20秒でもいいから、ちょっと立ち止まって自分の立場や世の中のこと、何かしら考える瞬間が渡せるといいなと思っています」と述べ、「最新作の『ガラスの密室』も、ラストのナレーションに牛尾の“祈り”のようなものが込められているので、最後まで注目していただきたいですね」とPRしていた。

  • 『森村誠一ミステリースペシャル ガラスの密室』
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