「第18回テレビ朝日新人シナリオ大賞」の授賞式が11日、東京・六本木のテレビ朝日で行われた。

  • 「第18回テレビ朝日新人シナリオ大賞」

    左から奨励賞・板谷将行さん、優秀賞・川瀬太朗さん、優秀賞・松本稔さん

今回は、計1,414編の応募があり、5月24日に井上由美子、岡田惠和、両沢和幸の選考委員3氏による最終選考会の結果、大賞は該当者なし。松本稔さんの『はとポップ!』、川瀬太朗さんの『ハッチ&ハイク』が優秀賞(賞金100万円)を、板谷将行さんの『風に吹かれて』が奨励賞(賞金50万円)をそれぞれ受賞した。

松本さんは「今年53歳になる自分に、新人という名のつく賞を与えていただいて、本当に感謝しております」と感無量の様子。板谷さんは、脚本家・中園ミホ氏に「君は売れるよ。後5年頑張って」と言われたエピソードを明かし、それからちょうど5年後の受賞とのことで、「先見の明があったのかな」と冗談交じりに話した。

また、川瀬さんは妻が出産を控えているとのことで、賞金の使い道について、「妻の出産費用にしたい」と家族思いの部分を見せていた。

選考委員の岡田氏は「似たような雰囲気の作品が最終選考にあがり、いずれも年齢の低い人物を主人公に、どこかその子たちの生き方を肯定する作品が多かったなと思います」と講評。そのうえで、「多分、来年度は『おっさんずラブ』的なものが多くくるのでは」と分析し、「お書きになる方は、『ここだけは本家に負けないぞ』という部分を一点用意してから取り組んでいただけたら」とアドバイスを送った。

テレビ朝日の早河洋会長は、「『おっさんずラブ』は平均視聴率が4%でした。これは失敗作といわれる数字ですが、SNSでの反響が大きく、韓国では報道番組が取り上げたほどです。つまりこの時代に、なにが訴求していくか分かりにくい」と例に挙げ、「シナリオライターを志す方々で、配信系のドラマだけを志望するのはちょっと違うんではないか。まだまだテレビのマスに対する訴求力は大きいものがありますし、出口は色々あると思います」と話した。

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  • 早河洋氏