JR東海は30日、新幹線車両の台車枠き裂事象(2017年12月発生)を踏まえ、車両の異常早期発見に向けたさらなる取組みとして「新幹線台車温度検知装置の増設」「車両状態の監視機能の追加」「指令における車両状態のモニタリングの強化」を決定したと発表した。

  • JR東海が新幹線車両の異常早期発見に向けたさらなる取組みを発表

同社は安全確保に向けた取組みに関して、これまで「製造メーカーにおける製造時の品質管理体制の強化を要請」「仕業検査、交番検査での入念点検」「全般検査、台車検査での超音波探傷、ファイバースコープによる溶接部の詳細な状態確認」「新幹線台車温度検知装置による走行中の台車のモニタリング強化」「乗務員等への訓練内容の充実」などを行ってきたという。

今後、車両の異常早期発見に向け、東京~新大阪間で新幹線台車温度検知装置を増設するとともに、車両の監視機能も追加し、同社のN700Aタイプの車両に順次搭載する。新幹線台車温度検知装置は現在設置されている酒匂川橋梁(神奈川県)・豊川橋梁(愛知県)に加え、瀬戸川橋梁(静岡県)・木曽川橋梁(愛知県・岐阜県)・神崎川橋梁(大阪府)にも設置し、計5カ所に増設。車両の監視機能の追加により、車両データ(空気ばね圧力)を自動的に分析し、異常を検知した場合に運転台のモニタにアラーム表示するとのこと。

あわせて走行中の車両機器の状態や台車温度を監視できる端末を新設し、専任の車両技術者を配置するなど、車両状態のモニタリングを強化する。「新幹線台車温度検知装置の増設」「車両状態の監視機能の追加」「指令における車両状態のモニタリングの強化」に要する費用は約10億円とされた。