神戸電鉄は19日、スプリンググリーンとシルバーグレーの旧塗装を復刻した1000系1151編成「メモリアルトレイン」のデビューイベントを谷上駅で開催した。出発式の後、岡場駅まで往復する特別運行も行われた。営業運転開始は5月20日からとなる。

  • 谷上駅2番線ホームに展示された1000系1151編成「メモリアルトレイン」

今年は神戸電鉄の前身、神戸有馬電気鉄道が湊川~有馬温泉間で営業運転を開始してから90周年。これを受けて、同社は4月から「鉄道開業90周年事業」を実施している。「メモリアルトレイン」もこの取組みの一環で運行され、レッドとアイボリーの塗装で活躍する1000系のうち2編成を使用し、旧塗装を復刻することになった。第1弾として1151編成(1151号車・1251号車・1152号車の3両編成)がスプリンググリーンとシルバーグレーのツートーン塗装となり、運行開始を前に谷上駅2番線ホームに展示された。

1151編成に施された旧塗装は戦後復興後の1950~1960年代、クハ131形をはじめ一部車両に採用された塗装だという。「メモリアルトレイン」の車内では、中吊り・ドア横ポスターを用いて神戸電鉄の旧駅舎や車両などを写真で紹介する「90年の歴史展」や、キーワードを持って隠れた「しんちゃん」(神戸電鉄キャラクター)を探すキーワードラリー「しんちゃんを探そう!」も行われていた。谷上駅は多くの鉄道ファンらでにぎわい、ホームに設置された1151号車・6501号車の顔出しボードで記念撮影を行う来場者も多かった。

  • 「メモリアルトレイン」の車内では中吊り・ドア横ポスターなどを用いた「90年の歴史展」を実施。かつての行先・種別看板も並ぶ

  • キーワードを持って隠れた「しんちゃん」を探すキーワードラリーも行われた

  • ホームには「メモリアルトレイン」1151号車と6501号車の顔出しボードを設置。特別運行に先立ち出発式も開催された

  • 運転士へのブレーキハンドル授与の後、谷上駅主任の出発合図で「メモリアルトレイン」が発車。参加者らが見送った

谷上~岡場間の特別運行に先立ち出発式が開催され、テープカットや運転士へのブレーキハンドル授与などが行われた。12時頃、谷上駅主任の出発合図とともに「メモリアルトレイン」が発車。運行中の車内ではちびっこアナウンス体験も行われたという。

1000系1151編成「メモリアルトレイン」は5月20日から営業運転を開始し、初日はおもに粟生線の列車で運用される。今後は「メモリアルトレイン」の第2弾として、高度経済成長期(1960~1980年代)に採用されたオレンジとシルバーグレーのツートーン塗装を復刻した1357編成(4両編成)が7月下旬頃に運行開始予定。具体的な運行開始日は神戸電鉄ホームページ等で案内する。

  • 神戸電鉄1000系1151編成「メモリアルトレイン」外観・車内