Snow Manの印象は?

――他の方の印象も是非伺っていければ。先ほど話にも出た阿部亮平さんはどのような印象でしたか?

真壁:阿部ちゃんは話せば話すほど、「いろんなこと考えているんだ」とわかるんです。頭が良いと感じるんだけど、それをあまり出さないですよね。

岡村:ひけらかしたりはしない。

真壁:でも、自分が言った方がいいところは行くんだろうな、と思わせます。その押し引きがうまい。Snow Manのバランスをとってる人なんじゃないかと思いました。

――体を鍛えている高井戸役の、宮舘涼太さん。

岡村:舘ちゃんは、爽やかそのもの!

真壁:爽やか真面目! 役に対しても、本当に一生懸命ですよね。ドラムを叩くシーンの日は、そのことばかり考えて、めちゃくちゃ練習してました。本番も決めてくれたし、誠実さとか真面目さが一発でわかるので、愛されているんだと思います。

岡村:演じた役も、ああいう面白さになるとは思わなかったですね。他のと違うキャラクターを出してくれます。

真壁:"やってやろう"って感じがないから、いいんでしょうね。

岡村:まじめにやってるだけ。なのに、いつの間にかっこいい技を覚えてる(笑)。

――桃田役の渡辺翔太さん。

真壁:なべちゃんは、面白いんですよ。一番、天然なのかもしれません。

岡村:劇中では突っかかってくるキャラクターですけど、普段はそんな感じではありません。

真壁:キャラクターにはまった時の天才的な爆発力があると思います。

――インタビューで「自分に女の影のある役の方がファンが喜ぶ」と言っていたのが印象的でした。

真壁:かっこいいですね!(笑)

岡村:やっぱり、視点が違うんですよ!(笑)

――最後に、新井役の深澤辰哉さんは。

真壁:実はすごく、まじめな人なんだなと感じます。みんなが真面目にやっちゃうとつまらないから、おちゃらけちゃう部分もある。岩本くんと深澤くんの関係性は良いですよね。

岡村:周りをよく見て判断できている人なんだと思います。撮影の時も、そういう場面がありました。

真壁:方言を言う役だったけど、セリフの練習を撮影の合間にずっとやっていたんです。責任感が強い。

岡村:方言もすごく上手になっていました。

作品の注目ポイントは?

――ボルダリングを題材に撮影をされていたと思いますが、困難だったのはどのような点でしたか?

真壁:もし彼らが登れなかったら、ボルダリングのシーンは「カットを細かく割って、時間のかかる撮り方をしなければいけない」と思っていました。でもちゃんと登れるようになっていたので、スムーズに撮影ができました。困難というより、予想外にうまくいったところでした。普段登れていても、撮影本番になると登れないことは多々あるので、みんなちゃんと本番で決めてくるのが、”持ってる”ところだなと。

岡村:吹き替えなしにはこだわりがありました。彼らもすごく練習してきてくれましたし、試合のシーンは本当に見所です。

真壁:本人たちも、登れるか登れないかわからないくらいのルートなんです。特に岩本くんの表情はもう、ドキュメンタリー入ってますね。撮影時に『登れなかったらカットするよ』とも言っていました。

岡村:それくらい、ギリギリのルートを設定しているんです。簡単に登れてしまっても苦しさが表情に出てこないし、全く登れなくてもダメ。絶妙なラインを設定しています。

――お二人がそれぞれ好きなシーンを教えてください。

真壁:団体戦の時の、塚田くん。単純に”いい顔”になっているんです。最後の方の撮影だったんですけど、綺麗な顔、いい表情をしていたので、非常に手応えを感じました。彼自身も役に対して着地したのかな感じましたし、撮っていても「塚田くん、ひとつ抜けた」と思いました。

――展開も意外でしたし、就職活動の様子がリアルで驚きました。

岡村:監督も参加して、結構考えました。

真壁:最後の展開にヒーロー感を出したい、というのもありました(笑)。

岡村:現実に考えたらありえないけど、いいんじゃない!? というところも(笑)。一応裏では、岡島は旅行会社を受けているという設定でした。海外に行ってボルダリングをして欲しいなって。

――岡村プロデューサーのオススメのシーンはいかがですか?

岡村:音楽がすごくいいなと思っています。最初の"松竹富士"にビートがかかっていて、『いいのかなあ』と思いましたが(笑)。結果大丈夫でしたし、その曲が最後でもかかって、「行くぞ」という空気を出していたところが好きでした。

真壁:音楽はこだわりました。ボルダリングの試合自体も音楽がずっとかかっているので、その感じは出したいと思っていました。90分の映画で、何曲使っているんだというくらい多いので、ぜひ注目していただきたいです。

■真壁幸紀監督
1984年生まれ、ROBOT所属。『踊る大捜査線』『ALWAYS 三丁目の夕日』シリーズ等の助監督を経て、ディレクターデビュー。12年、ショートフィルム『THE SUN AND THE MOON』がLouis Vuitton Journeys Awardsでグランプリ。15年、長編映画第1作目となる『ボクは坊さん。』を公開。海外の映画祭でも高い評価を得て、16年にはフランスの女優、イレーヌ・ジャコブ主演のショートフィルム『HOME AWAY FROM HOME』を発表。最新作はTVドラマ『電影少女-VIDEO GIRL AI 2018』。本作は長編映画第2作目。

■岡村紘野
2007年、松竹に入社。これまでに関わった作品は『母べえ』『鬼平犯科帳』『関西ジャニーズJr.の目指せ♪ドリームステージ!』『関西ジャニーズJr.のお笑いスター誕生!』など。2015年より現職。