周遊バス「たじまわる」をご存知だろうか。竹田城跡や城崎温泉、城下町出石など、兵庫県北部エリアの観光に便利な周遊バスなのだが、2018年4月からは「たじまわるプレミアム」が加わり、但馬空港にも立ち寄るようになった。つまり、空港発の気軽な旅行ができるというわけだ。ならばということで、早速「たじまわるプレミアム」に乗って旅をしてみた。

  • 「たじまわるプレミアム」は但馬空港のターミナル前から出発する

    「たじまわるプレミアム」は但馬空港のターミナル前から出発する

運賃たった500円! まずはコウノトリのもとへ

「たじまわるプレミアム」の運賃は大人・子どもともにひとり500円で、ひとりから乗車できる。大阪(伊丹)から午前中に到着する日本エアコミューター(JAC)2321便に接続している。

但馬空港に定刻に到着し、「たじまわるプレミアム」の出発は10時5分。念のため、時間前にターミナルの前に立って待ち、バスが見えたら手を振ってアピールした方がいいだろう。なお、「たじまわるプレミアム」への乗車は予約不要で、運賃は乗車時にバスガイドに支払う。

「たじまわるプレミアム」はまず、「兵庫県立コウノトリの郷公園」に向かった。バスはガイド付き、地元ならではの情報を交えつつていねいに解説してくれるので、初めて旅行に来た人も安心だ。

  • 兵庫県立コウノトリの郷公園では、国の特別天然記念物「コウノトリ」が見学できる

    兵庫県立コウノトリの郷公園では、国の特別天然記念物「コウノトリ」が見学できる

但馬と言えば、空港の愛称にもある国の特別天然記念物「コウノトリ」が有名。2005年から但馬でコウノトリの野生復帰への取り組みが行われている。兵庫県立コウノトリの郷公園では、その取り組みの紹介や人工繁殖されて飼育されているコウノトリなども見ることができる。

  • 兵庫県立コウノトリの郷公園には、コウノトリの郵便ポストもある

    兵庫県立コウノトリの郷公園には、コウノトリの郵便ポストもある

昼食は「出石皿そば」で決まり!

バスはその後、城下町で知られる出石へ。ちょうど昼食時間帯、1時間20分の停車時間があり、ここは名物の「出石皿そば」をぜひ味わいたい。欲張れば、何軒かのそば屋を巡っての食べ比べもできる。本場の出石皿そばは、やはりおいしかった。出石焼の小皿に盛りつけられた皿そばは、何枚でもおなかに収まってしまいそうだ。

  • 「出石皿そば」はその出石焼の小皿も風流だ(写真はイメージ)

    「出石皿そば」はその出石焼の小皿も風流だ(写真はイメージ)

出石そばを食べた後に時間があれば、"但馬の小京都"と呼ばれる城下町の散策、明治時代の芝居小屋「永楽館」や「出石明治館」などを見学してもいいだろう。

  • "但馬の小京都"と呼ばれる城下町出石。辰鼓楼は出石のシンボルで今も現役の時計台

    "但馬の小京都"と呼ばれる城下町出石。辰鼓楼は出石のシンボルで今も現役の時計台

次に向かったのは、道の駅「ようか 但馬蔵」。実は但馬エリアには道の駅が数多くあり、その中でもここは人気が高く、大阪や神戸などからわざわざ車で来る人も多い。新鮮な野菜や果物、但馬の名産品などが一堂にそろい、お土産選びにもオススメ。もし荷物が増えても、今回はずっと同じバスが出発まで待ってくれるので安心だ。

  • 道の駅「ようか但馬蔵」には蔵をイメージした建物が並び、足湯もある

    道の駅「ようか但馬蔵」には蔵をイメージした建物が並び、足湯もある

絶景の「竹田城跡」も存分に!

そして、「たじまわるプレミアム」のハイライトともいえる竹田城跡に向かった。"天空の城"や"日本のマチュピチュ"とも呼ばれ、いまだ人気が高い竹田城跡は、公共交通機関で向かうのがなかなか難しい。

竹田城跡の玄関口ともいえる山城の郷でバスを降り、「天空バス」(山城の郷=竹田城跡は大人150円)に乗り換えて竹田城跡の停留所に向かい、ここからは徒歩。やや急な坂道と石の階段をせっせと登っていくと、竹田城跡にやっと到着した(竹田城跡の入場料(大人500円)が別途必要)。

  • 竹田城跡の近くまで向かうには「天空バス」の乗車がオススメ

    竹田城跡の近くまで向かうには「天空バス」の乗車がオススメ

山城遺跡として全国でも珍しく完存する遺構で、日本100名城にも選ばれている。ちょうど雨上がりの晴れ間も見える天気で、山城の頂上からの眺めは本当に素晴らしかった。桜のシーズンはもっと大勢の人々が訪れたという。歩きやすい靴と服装で行くことをオススメする。

  • 竹田城跡の頂上まで向かう道のりはけっこうきつい。歩きやすい靴と服装で!

    竹田城跡の頂上まで向かう道のりはけっこうきつい。歩きやすい靴と服装で!

ちなみに、雲海に包まれた竹田城跡を見る時期は、晩秋の良く晴れた早朝の朝霧が発生した時。竹田城跡の向かい側にある立雲峡に行く必要がある。

  • 竹田城跡のほぼ頂上からの眺め。素晴らしい景色が堪能できる

    竹田城跡のほぼ頂上からの眺め。素晴らしい景色が堪能できる

城崎温泉に泊まっての1泊2日の旅も

「たじまわるプレミアム」はその後、JRの和田山駅、豊岡駅、城崎温泉駅に停車する。オススメは、1日目は但馬空港から「たじまわるプレミアム」に乗車して竹田城跡などを巡り、1300年の歴史を持つ城崎温泉に1泊し、2日目に城崎温泉などを観光して但馬空港に向かい、夕方のJAC2324便で伊丹空港、そして羽田空港に戻るスケジュールだ。

JRの城崎温泉駅や豊岡駅などから、飛行機の便に合わせて但馬空港行きの路線バスが運行されている。「たじまわるプレミアム」と合わせて使えば、車やタクシーが利用しづらい1人旅でもリーズナブルに移動できる。

  • 歴史ある城崎温泉では宿泊しての外湯めぐりや散策が楽しい

    歴史ある城崎温泉では宿泊しての外湯めぐりや散策が楽しい

なお、「たじまわるプレミアム」の運行は2018年10月までと2019年3月の土・日曜日で、夏休み期間中(7月22日~8月31日)は月曜日も運行する。11月のみ、立ち寄る道の駅が「ようか 但馬蔵」でなく「但馬のまほろば」となり、紅葉が美しい「養父神社」にも立ち寄る。秋だけの絶景旅を楽しんでもらえればと思う。