JR西日本の新たな寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が17日から運行開始した。初列車は1泊2日片道タイプ「山陰コース(下り) ~文豪と維新の歴史をたどる旅~」。山陰本線経由で大阪・京都~下関間を走行する。運行初日の17日は、大阪駅と京都駅で出発式、立寄り観光を行う城崎温泉駅でおもてなしイベントが開催された。

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が城崎温泉駅に入線(写真はすべてオフィシャル画像)

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」はハイブリッド方式を採用した10両編成の新型車両(87系寝台気動車)を使用し、1両1室の「ザ・スイート」をはじめ、「ロイヤルツイン」「ロイヤルシングル」や食堂車、ラウンジカー、展望車を備えた上質な空間に。日本の原風景ともいえる美しい自然や歴史・文化を再発見する特別な旅を提供する。

記念すべき初列車は6月17日朝、関係者らの見送りを受けて網干総合車両所宮原支所内の車庫を出発。9時55分頃、大阪駅10番線ホームに入線した。

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が大阪市内の車両所を出発。関係者らが見送った

大阪駅の出発式では、JR西日本執行役員 営業本部長の室博氏、デザイン統括・インテリア監修を手がけた浦一也氏、アンバサダーの葉加瀬太郎氏らが出席した。「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」について、室氏は「風を感じる展望デッキ、上質な車内、素晴らしい食事、まさに『動くホテル』だと感じています」、浦氏は「ホテルがいつの間にか走り出しているような、そして『なんとなく懐かしい』『新しいけど、なんとなく懐かしい』印象になるようにしたかった。これが非常にうまくいったと思っています」と述べた。

京都駅では地元小学生らが歓迎、城崎温泉駅は沿線住民らでにぎわう

初列車の乗客は16組31名と報じられ、中には前日に入籍し、新婚旅行として乗車するという利用者も。「(旧)トワイライトエクスプレスで知り合い、その後も一緒に(特別運行の)トワイライトエクスプレスに乗ったりもしていました。もう一度トワイライトエクスプレスに乗りたいという思いで応募し、この特別な一番列車に新婚旅行で乗れることとなり、本当にうれしく思います」と話していた。

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は10時18分に大阪駅を発車し、東海道本線を走行。10時47分頃に京都駅0番線ホームに入線し、地元小学生(約50名)らの歓迎を受けた。京都駅でも出発式が行われ、進行方向を変えた列車は10時54分に京都駅を発車し、山陰本線へ。このとき、京都鉄道博物館の屋外展望デッキ「スカイテラス」にも多くの来場者が集まっており、東海道本線・山陰本線を走る「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」を見送った。

山陰本線を走行した列車は14時すぎ、沿線住民らの歓迎を受けながら城崎温泉駅に到着。城崎温泉街への立寄り観光には、内外装ともに「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」と同じ世界観のデザインとなった「瑞風バス」が使用された。立寄り観光から戻った利用者を乗せた「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は17時頃、城崎温泉駅を発車。駅ホームには多くの沿線住民らが集まり、乗客も最後尾車両の展望デッキから手を振るなどして見送った。

初列車の2日目となる6月18日も、「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」は引き続き山陰本線を走行。萩での立寄り観光などを行い、15時32分に下関駅に到着する予定となっている。

網干総合車両所宮原支所での「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」見送りの様子

「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」が大阪駅10番線ホームに入線。出発式が行われた

京都駅では地元の小学生らが「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」を歓迎。走行中の列車を見られる京都鉄道博物館の屋外展望デッキ「スカイテラス」にも多くの人が集まった

城崎温泉駅は「TWILIGHT EXPRESS 瑞風」の到着時・出発時ともに多くの沿線住民らが集まった。立寄り観光では「瑞風バス」が使用された