ジャーナリストの池上彰が6日、テレビ東京系情報番組『池上彰の現代史を歩く』(8日スタート ほぼ隔週日曜19:54〜 ※初回は18:30〜21:54)の会見に、宮本隆治、相内優香アナウンサーとともに登場した。

  • 左から相内優香アナウンサー、池上彰、宮本隆治

    左から相内優香アナウンサー、池上彰、宮本隆治

同番組では、池上が現代史の舞台となった世界各地を精力的に取材し、今起きているニュースと結びつけて解説、視聴者に現在の世界情勢を深く伝えていく。

ナレーターを務める宮本は、NHK時代の池上の同期となる。「宮本」「池上くん」と呼び合う仲だが、池上は「彼はアナウンサー、私は記者ですから、廊下ですれ違った時に『テレビで見てるアナウンサーだ』と思うくらい」、宮本も「『ダジャレを言ってる記者だ』と思っていた」と振り返った。

現代史をテーマとした同番組で、池上が「現代史」と言われて思い浮かぶのはベルリンの壁崩壊、宮本が思い浮かぶのは「朝鮮戦争」だという。ベルリンの壁崩壊は第3回、朝鮮戦争は初回で取り扱う。宮本は「歴史の起きたことを客観情報として冷静に伝えていくという立場と、もう一つは『池上くん』と呼べる今までのナレーターとは違った意味合いを込めての存在」として、2つの役目でナレーターを務めたいと意気込んだ。

また、現在飛び交う「フェイクニュース」に関して、池上は「ジャーナリストがやっているのは、真実を伝えることではなく、事実の断片を集めて、ある種の仮説を組み立てていくことじゃないか」と考えを明かす。「事実に迫るのは難しいこと、真実がこれだと言い切ることはできないんだよということをみなさんに伝えていきたい。そういうことで『真実はこうなんだ』と言うフェイクニュースに対する免疫力がついていくのかなと思います」と語った。

NHKの後輩にあたる有働由美子アナが、3月31日付で退職した件について質問が及ぶと、「来ると思った!」と顔を見合わせる2人。宮本は「有働アナウンサーは、アナウンサーのデパートだと思います。いろいろなアナウンサーの技量を発揮できる引き出しを持っていて、硬軟を使い分けられる」と称賛し、「いずれは3人でやりたい。ユニット名も考えたんです。3人の頭文字をとりまして、池上、有働、宮本で"IUM"。"意有無"と書いて、この事象は意味があるのか、有無を確かめたいというユニット名を、さっき考えました」といきいきと構想を説明した。

一方、池上は「私の全くあずかり知らぬところで、勝手に彼が予想していることですね」と苦笑。「NHKを辞めてでも、そのまま出られる。実は私もNHKに出られるようになった。NHKが大きく変わったんだなと思います」と古巣の変化に言及する。「有働さんがこれまでのアナウンサーにない、幅を広げる色々なことをやった、それが認められたんだなと思います」と称賛しつつ、「ジャーナリストとしては、そんなに簡単にジャーナリストを自称してほしくないなと思いました」と、先輩としてのチクリとした一言も飛び出した。