JR東日本大宮支社は1日、宇都宮駅5番線ホームにて日光線「いろは」の出発式を開催した。「本物の出会い 栃木」デスティネーションキャンペーン(栃木DC)のオープニングを飾る臨時列車「誕生いろは日光号」として、宇都宮駅を9時10分に発車。日光駅まで往復で運行された。

  • 日光線「いろは」がデビュー。宇都宮駅5番線ホームで出発式が行われた

「いろは」は日光線で運行される205系1編成を改造し、観光などで快適な移動時間を過ごせる車両に。日光線のレトロなイメージを意識したデザインで、乗降口を片側2ドアとして車内空間を確保し、大型クロスシート、大型荷物置場、フリースペースを設置した。クラシックルビーブラウンをベースとした配色のシートモケット、木を使用した吊り革をはじめ、木目調の内装を採用。ドア上に新設された案内表示器は外国語表記に対応している。

デビュー列車となる「誕生いろは日光号」(全車指定席)の運行時刻は、下りが宇都宮駅9時10分発・日光駅9時52分着、上りが10時32分発・宇都宮駅11時24分着とされていた。下りの宇都宮駅発車に合わせて出発式が行われ、宇都宮駅長の小宮正夫氏、1日駅長を務めた宇都宮市長の佐藤栄一氏が出発合図を行った。宇都宮駅キャラクター「みやゴロくん」、栃木県キャラクター「とちまるくん」、宇都宮市キャラクター「ミヤリー」も登場した。

出発式の後、取材に応じた小宮駅長は、「いろは」について「インバウンドのお客様はいままで肩身の狭い思いをされたかもしれませんが、『いろは』ではシート幅・シートピッチを改善するなど乗りやすい車両になったと思います。車内案内も、宇都宮駅発車後に日光の案内を行うなど各種情報を提供していきますので、この車両に良い印象を持っていただけるのではないかと思っています」と話した。フリーWi-Fiを提供できる環境とし、観光情報などを得やすくしたことも「いろは」の特徴となっている。

  • 「いろは」が宇都宮駅5番線ホームに入線。ロゴマークは「いろは」の頭文字「I」とレールの断面をイメージさせる形状とし、ひらがなの「い」をモチーフに48色(いろは坂の48のカーブを表現)で彩りを加えた

  • 出発式には宇都宮駅長の小宮正夫氏、宇都宮市長の佐藤栄一氏が出席し、地元キャラクターも登場。宇都宮駅を発車する「誕生いろは日光号」を見送った

佐藤市長は「いろは」の印象を「おしゃれでしたね」とコメント。この日開幕した栃木DCにも触れ、「国内はもとよりインバウンドの増加も期待しています。昨年のプレDCでは外国からの観光客数が伸びました。本番となる栃木DCを通じ、多くの方々にリピーターになっていただけるように、市民の皆様とともにさらなる工夫をしていきたい」「日光や那須といった素晴らしい観光地に長く滞在していただきたい。その際、宇都宮は宿泊を中心とした役割を担えるのではないか。宇都宮を拠点に日光へ、宇都宮に戻って宿泊後、県内の別の観光地へ……といった流れにつなげていければ」と述べた。

「いろは」は4月2日から日光線で定期列車として運行。朝に宇都宮~鹿沼間で2往復、日中時間帯に宇都宮~日光間で3往復、夕方以降に宇都宮~鹿沼間で2往復の運行を予定している(検査などで車両を変更する場合あり)。栃木DC期間中や観光需要の高まる時期など、栃木県内を中心に臨時列車としての運行も予定しており、ゴールデンウィーク期間中の4月28~30日・5月3~6日に「GOGOいろは日光」(全車指定席)として大宮~日光間を往復、5月18日には「日光東照宮春季例大祭号」(全車指定席)として大宮~日光間を往復する。