2019年3月の吉本新喜劇60周年に向けて、3月21日広島公演を皮切りに「吉本新喜劇全国ツアー2018」がスタート。ツアーでは小籔千豊、川畑泰史、すっちー、酒井藍の4座長が一堂に集結し、全国各地に笑いを届ける。そこで、昨年7月に吉本新喜劇史上初の女性座長に就任した酒井藍(31)にインタビュー。ツアーへの意気込みや座長になってからの心境の変化を聞いた。

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    酒井藍 撮影:蔦野裕

女性座長として奮闘! 目指すは痩せてもおもろい人

――あらためて、吉本新喜劇初の座長に就任したときの気持ちをお聞かせください。

座長になってもらうって言われたときは、正直ドッキリだと思いました。なりたいっていう気持ちは強かったですけど、嬉しいというより心臓がドキドキして不安の方が大きかったですね。 目だけキョロキョロしてカメラを探しました(笑)。

――9カ月たってどんな変化がありましたか?

座長になったおかげで自分の力以上のお仕事もいただけるようになって、頑張らなと思うんですけど変わらず不安です。新喜劇で自分の週になると口内炎が治らないんです(笑)。 でも公演が終わる1週間後に治るんですよ。根がビビリなんで。それだけドキドキしてるんです。

――座長ってどんな仕事をするんですか?

作家さん、社員さんと一緒に台本を作ったり配役を決めたり。舞台では一番セリフが多いですが周りのことも見なくてはいけないです。3館の劇場があって1週間ごとに新作を公演していくので公演中に次の舞台の稽古、並行してその次の台本を作っていったり……。その合間にテレビのお仕事が入ったり。そのスケジュールにまだ全然慣れてなくてパニックになることもあります。「ここでめだか師匠がでてきて……」と言うと、「いえ、この舞台ではめだか師匠でてません!」と言われたり、混乱することがめっちゃあります(笑)。

――女性の座長ならではの大変さはありますか?

先輩の団員さんが多いんで、みなさん助けてくれます。「忙しいやろ? ちゃんとご飯食べや」とか、女の子として扱ってくれる率が高くなったというか、声をかけてくれることが多くなりました。この体型なんで絶対ごはんは食べてるんですけど(笑)。大変より、ありがたいなあ、感謝やなあという気持ちの方が多いかもしれないです。

――酒井さんはぽっちゃり体形も魅力のひとつだと思いますが、ご自身では?

座長って1週間絶対に舞台に出ないといけないので、体調を大事にしないといけないんです。なので今、ちょっとずつ減量はしてるんですけど……10キロ痩せても、20キロ痩せてもデブはデブなんですよ私(笑)。でも、この人デブやから、こういうネタをしてるんだじゃなくて痩せててもおもろい人やなって思われるようになりたいです。

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4人の座長と挑む全国ツアー

――目標にしている先輩座長はいますか?

小藪兄さんは、吉本に入ったころから、ボケ方とか舞台での見せ方とかいろいろ教えていただきました。私は小藪兄さんを見てきたから、座長になりたいって思ったんです。新喜劇への思いを聞いたとき「自分は新喜劇が大好きじゃなかったかもしれない……」。そう思うほど、小藪兄さんの新喜劇愛はすごいです。全国ツアーにまわれるのも、今、東京で深夜に新喜劇が放送されてるのも、小藪兄さんが東京で吉本新喜劇を広めてくださったからだと思ってます。

――全国ツアーはどんな内容になりそうですか?

いつも別の舞台に出ている小籔千豊兄さん、川畑泰史兄さん、すっちーさん、そして私の4人の座長が全員同じ舞台に立ちます。同じ話で進んでいくので、普段の新喜劇では見られないしかけもいろいろ考えてます。新喜劇を見たことがない方はぜひコンビニに行くくらいの軽い気持ちで劇場に来てほしいですね。

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■プロフィール
酒井藍
1986年9月10日生まれ、奈良県出身。2007年9月に吉本新喜劇「第3個目金の卵オーディション」に合格し入団。“ぶぅぶぅぶぅ。私、人間ですねん”のギャクで人気が急上昇し、2017年7月、吉本新喜劇で初の女性座長に就任。幅広い世代に人気があり、座員から慕われている。本作が映画初主演となる。