函館市企業局交通部は20日、函館市電710型724号車を今年度いっぱいで引退させると発表した。3月30日に「さよなら運行」を実施する。

  • 函館市電初のカラー電車広告車両として運行した当時の724号(函館市所蔵)

当日、724号車は駒場車庫を出庫後、駒場車庫前電停を9時51分に発車する湯の川行として運転。湯の川電停に到着後、9時58分発の函館どつく前行として折り返す。函館どつく前電停は10時46分に発車。11時28分に駒場車庫前電停に到着し、入庫する。予約不要で、通常の運賃で誰でも乗車可能。先着100名に記念乗車証を配布する。

「さよなら運行」に先立ち、3月26日から724号車の系統板に「さよなら運行を実施します」のシールを掲示。車内には過去に同車両に掲出された電車広告の写真を掲示する。

724号車は、1959~1961年にかけて14両導入された710型の最終車両。運行当初は郊外電車用の間接自動制御車両として注目されたという。1975年には、当時存在した彩華デパートの広告を車両全体に掲出し、函館市電初のカラー電車広告車両として運行を開始した。その後も各企業の広告車両として親しまれ、現在はイチヤママル長谷川水産(八雲町)の広告車両となっている。