中部国際空港はこのほど、中部国際空港セントレアに2018年夏に開業する新複合商業施設「FLIGHT OF DREAMS(フライト・オブ・ドリームズ)」のメイン展示であるボーイング787初号機(ZA001号機)を建設中の施設内に設置する作業が完了したと発表した。

  • メイン展示のボーイング787初号機(ZA001号機)は飛んでいるような展示に

    メイン展示のボーイング787初号機(ZA001号機)は飛んでいるような展示に

「FLIGHT OF DREAMS」では、787の初号機(ZA001)を建物1階に展示し、チームラボが手がける「見る」「読む」「動く」「触る」「聞く」というインタラクティブな体験ができるコンテンツを展開。2~3階にはボーイング発祥の地である米国・シアトル由来の飲食・物販店舗が並ぶ。メイン展示のボーイング787初号機は2017年12月、空港内の制限エリアから約900m離れた施設まで、公道を経由して移動された。

同施設では、まさに飛行機が飛んでいるように展示をするため、高さ約1.7mの台座に飛行機を設置している。そのため、長さ60m弱・重さ100t強の飛行機を約2m持ち上げた後に台座に乗せ、固定する作業を行った。この作業は世界的にも珍しく、特にボーイング787型機では前例もないため、ボーイングをはじめ、ロサンゼルスのCSAアーキテクツと日米合同テクニカルチームを結成し、使用する機材なども全てアメリカから空輸をして実現した。

  • 長さ60m弱・重さ100t強の飛行機を約2m持ち上げた後に台座に乗せ、固定する作業を行った

    長さ60m弱・重さ100t強の飛行機を約2m持ち上げた後に台座に乗せ、固定する作業を行った

作業としてはまず、ボーイング787の専用ジャッキを3点のジャッキポイントに設置して機体を持ち上げた後、機体の下に台座の骨組みを据え付け、台座と機体のギア部分を接続する治具を設置。その後、機体と治具を連結固定した。

テクニカルコーディネート・ジャッキアップ作業はボーイング特別テクニカルチームが担い、固定治具の設計はロサンゼルスのロナルド・レーガン・ライブラリーの設計会社であるCSAアーキテクトが、固定治具の製作は和田製作所が、施設および台座の設計は日建設計が、施設の施工は東急建設が、そして、全体コーディネートは中部国際空港が担った。

  • ボーイング787初号機(ZA001号機)の設置作業の内容