育児に悩んだときに周囲から受ける適切なアドバイスは、とても有難いものだ。その一言で、先の見えない暗闇の中に一筋の光明を見出したという人もいることだろう。一方で、その助言があまりにも的外れで思わずイラっとした、という経験のある人もいるかもしれない。今回は、小学生以下の子どもを持つマイナビニュースの女性会員187名に、「育児に悩んだとき、イライラしたアドバイス」を聞いてみた。
Q.育児に悩んだとき、他人からかけられたアドバイスの中でイライラしたものはありますか?
はい 57.8%
いいえ 42.2%
Q.イライラしたアドバイスの具体的な内容を教えてください(自由回答)
■「持論を押し付ける/難度が高い/役に立たない、など」
・「家庭環境、教育理念が異なるのに、自分の意見を感情的に押し付けられた」(39歳/その他/その他・専業主婦等)
・「私のできていない点や欠点ばかり指摘し、『だからダメだ』を連呼されて、何のアドバイスにもなっていないこと」(41歳/その他/その他・専業主婦等)
・「私立幼稚園の人にアドバイスいただいたが、難しいからできないと話したらバカにされた」(22歳/官公庁/その他・専業主婦等)
・「自分とは違う環境にいる裕福な家庭の方から、『生活にゆとりがないと心にもゆとりが出ないんじゃない?』と言われた」(38歳/不動産/事務・企画・経営関連)
・「前にアドバイスされたことをとり入れてみたら、次に会ったときに真逆のことを言われた」(50歳/その他/その他・専業主婦等)
・「子どものいない人に、知ったかされた」(38歳/ホテル・旅館/販売・サービス関連)
■「しつけや叱り方について」
・「『あまり怒らない方が良い!』とか、分かってるし! ってなる」(36歳/その他/その他・専業主婦等)
・「イヤイヤ期のときの対応に対して、ワガママになると注意されたこと」(32歳/教育/事務・企画・経営関連)
・「お店で騒いでたので子どもを叱っていたら、『子どもだから仕方ないよ』と言われた」(39歳/海運・鉄道・空輸・陸運/技能工・運輸・設備関連)
・「すごくイライラしているときに、知らないおばさんに『怒ってはダメ』と言われたとき」(42歳/その他/その他・専業主婦等)
・「子どもを認める言葉がけをしないほうがいいと言うアドバイス。認められることに慣れることで、頑張らなければいけないというプレッシャーを与えてしまうからという理由」(41歳/その他/その他・専業主婦等)
■「どうにかなる/焦るな、など」
・「『そのうち治るよ』と言われたりするとき」(47歳/その他/その他・専業主婦等)
・「子どもを静かにさせようと必死になっているときに、『子どもなんてそんなもんよ』と言われた」(35歳/その他/専門サービス関連)
・「いろいろ不安に思いながら子育てしているときに、義理母に『そんなに悩まなくても大丈夫』と鼻で笑った感じで言われたとき」(42歳/その他/その他・専業主婦等)
・「『ほっといても子どもは育つんだから』と言われたとき」(31歳/サービス/その他・専業主婦等)
・「下の子に手がかかる時期に上の子にキツく当たってしまったことで、『もっと気持ちに余裕を持ちなさい』と言われたこと。分かっていてもできないときがあるし、自分の子どもじゃないから余裕を持てる人に言われたくなかった」(29歳/その他/その他・専業主婦等)
■「授乳や食事について」
・「市の検診で栄養士に、『おやつ時はお菓子ではなく野菜入りパンケーキなど作ってみてはどうか』と言われたが、子育てと家事に追われているのに優雅にパンケーキ焼いてる時間などないと思い、イライラしてしまった」(33歳/その他/その他・専業主婦等)
・「助産師や栄養士から『10分がゆ』からスタートと聞いていた離乳食を、『重湯』からするように義母から言われたとき」(31歳/サービス/事務・企画・経営関連)
・「食事のことで義理の母にあれこれ言われたときに、イライラした」(41歳/その他/その他・専業主婦等)
・「母乳神話を押し付けてくる」(31歳/その他/その他・専業主婦等)
■「うちの子はできたのに/昔はこうだった、など」
・「昔のアドバイス。今と昔では変わったこともあるのに」(39歳/その他/その他・専業主婦等)
・「『私のときはそんなことなかったよ」の一言。共有してもらえないんだナァ、ってイラっとした」(33歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
・「的を射てない。最後に、『今と時代が違うからね』と言い訳される」(28歳/設計/その他・専業主婦等)
・「自分の子どもの自慢話」(38歳/フードビジネス/販売・サービス関連)
■「みんな悩んでいる/頑張れなど」
・「もっと頑張れと言われた」(48歳/人材派遣・人材紹介/営業関連)
・「『みんな同じよ』的な言葉」(36歳/医療・福祉・介護サービス/専門サービス関連)
■「その他」
・「おんぶできない月齢なのに、おんぶして家事をしろと」(29歳/医療・福祉・介護サービス/事務・企画・経営関連)
・「もうすぐ立つねとか、もうすぐ〇〇するねなど、次のステップを先回りして教えられる。アドバイスのつもりかもしれないが、先に知ってしまうと楽しさも半減。あまり先回りして教えてくれなくても良い」(35歳/その他/その他・専業主婦等)
・「子どもを早く保育園に預けて、仕事をした方が楽だと言われたとき。しかも、偉そうに話すその人の働き方が、10時から14時の週3日とかで、それほど働いていない。『どうせ暇でしょ?』とランチに誘われたり、夕方遊びにきて夕御飯まで食べて帰る」(38歳/その他/その他・専業主婦等)
・「双子を連れていると、年子の方が大変だと言われる。ひとりだろうが何人だろうが、子どもがいれば大変。ほっといてくれ」(35歳/その他/その他・専業主婦等)
・「我が子の発達の遅れをやたらと言われ、疲れた。人ごとのように『大変ですね』と言われて、気分を害した」(43歳/教育/公共サービス関連)
■総評
調査の結果、育児に悩んだとき、他人からかけられたアドバイスの中でイライラしたものがあるか、との問いに「はい」と回答した人は57.8%と、6割近くがイライラした経験があることが分かった。
イライラしたアドバイスの具体的な内容としては、「持論を押し付ける/難度が高い/役に立たない、など」が22.2%で最も多かった。以下、「しつけや叱り方について」(15.7%)、「どうにかなる/焦るな、など」(12.0%)、「授乳や食事について」(10.2%)、「うちの子はできたのに/昔はこうだった、など」(3.7%)と続いた。「その他」は23.1%、「特になし/回答なし」は5.6%だった。
通常であれば、育児に悩んだときに受けるアドバイスは有難いものであるはずだが、どうやら事情はやや異なっていることが明らかとなった。思わずイライラしてしまったアドバイスとしては、「持論を押し付ける/難度が高い/役に立たない」助言が最多となったが、確かにこれらをしたり顔で言われても、迷惑なだけというのは理解できる。具体的なエピソードには乏しかったが、とにかく偉そうに講釈を垂れる人物に対する不快感が伝わってくるコメントが多かった。
「しつけや叱り方について」や「授乳や食事について」では、自分の育児が果たしてこれで良いのだろうかと迷っているときに、頭ごなしに否定するような意見を言われることへの拒否感が感じられる。なかなか泣き止まなかったり、母乳を飲んでくれないなどで悩んでいるときにダメ出しされるのは確かに辛いものだろう。
一方で、「どうにかなる/焦るな」などのアドバイスは、育児で余裕を失っているママにとっては、ホッと安心できる言葉であるようにも思える。しかし状況によっては、「『時間が解決する、自然とよくなる』など、あまりにも気休めの言葉」「『今のうちだけ』。今が大変なのに」などと受け止められる可能性もある。「うちの子はできたのに/昔はこうだった」なども、実体験に基づいて話してくれるのはいいが、どこか自慢めいていたり、時代が違いすぎるなどの点で反感を買うこともあるようだ。
今回のアンケートではアドバイスされる内容の他にも、「誰」がその発言をしているかが大きなポイントとなっている様子がうかがえる。例えば実母であれば許容できることも、義母であったり、子育ての経験がない独身者であったり、あるいは経済的な環境が大きく違っている人の言葉は、素直に受け入れることが難しいという状況もあるのかもしれない。
周囲が良かれと思って発した何気ない一言が、思わぬ反感を買うこともある。子育てママへの声かけは、言葉を吟味して、慎重に行なった方がいいかもしれない。
調査時期: 2018年1月22日~2018年2月9日
調査対象: マイナビニュース会員(小学生以下の子どもを持つ女性)
調査数: 187人
調査方法: インターネットログイン式アンケート
※写真と本文は関係ありません