実はSUVを作ったこともあるランボルギーニ

ただし、これらのブランドの中で、ランボルギーニは例外的な存在でもある。かつてSUVを手掛けたことがあるからだ。1970年代に発表した「チータ」と1980年代に作られた「LM002」である。

  • ランボルギーニ「LM002」の画像

    かつてランボルギーニが作ったSUV「LM002」

このうち、米軍向けとして開発されたチータは制式採用が叶わず、試作車のみで生涯を終わるが、当時のカウンタックと基本的に同じエンジンを積んだLM002は、少数ながら生産・販売されている。

だから今回の発表会で、筆者はLM002の実車を見ることができるかもしれないと期待していた。しかし、会場に置かれていたのは、ウルスの他にはウラカンとアヴェンタドールの2台のスーパーカーだけ。それどころか、プレゼンテーションでもLM002に言及することはなかった。

  • ランボルギーニ「ウラカン」の画像

    「ウルス」の発表会には「ウラカン」(画像)と「アヴェンタドール」が置かれていた

あえてマニアを狙わない戦略も見え隠れ

でも、この方針は正しいと思った。チータやLM002はオフロード走行を念頭に置いた車種であり、舗装路をスーパーカー並みに走ることを目的に送り出されたウルスとは目指す方向があまりにも違う。しかも、LM002を知るのはコアなランボルギーニ・マニアだけだ。

日本での知名度が限りなくゼロに近い車種に無理矢理イメージをつなげるより、ウルスを全く新しいランボルギーニとして紹介したほうが分かりやすいし、幅広いユーザーにアピールできるはずだ。

  • ランボルギーニ「LM002」の画像

    「ウルス」と「LM002」(画像)は、同じSUVだが方向性が全く異なる(ランボルギーニ・デイ 2017にて編集部撮影)

そういえば発表会場も、ランボルギーニのブランドイメージからするとフツーだった。もっと挑戦的で情熱的な空間を予想していたので、肩透かしを食ったような印象だったが、これも既存のマニアとは別の種類のユーザーにアピールすることで、拡販を目指したいという気持ちの表れなのだろう。

しかし、見た目は写真でお分かりのように、ランボルギーニのSUVである。とにかくエッジが効いている。インテリアはそれに比べると独自色は薄いが、シートのグラフィックなどによって“らしさ”を演出していることが分かる。

  • 「ウルス」前列の画像
  • 「ウルス」後姿の画像
  • ランボルギーニのSUVだけあってエッジの効いた見た目だ

それでいて、現行ランボルギーニとしては唯一となる後席には大人が楽に座れ、後方の荷室にはゴルフバッグが2~3個収まるという。スーパーカーでは得られない使い勝手をウルスは実現している。