外為どっとコム総合研究所の神田卓也氏が2018年1月の為替相場レビューと、今後注目の経済指標やイベントをもとにした今後の相場展望をお届けする。

ドル/円 1月の推移

1月のドル/円相場は108.283~113.385円のレンジで推移し、月間の終値ベースでは約3.1%の下落(ドル高・円安)となった。これまでドル/円と高い相関性を保ってきた米10年債利回りは、約3年9カ月ぶりに2.7%台へと上昇したが、ドル/円はこれに逆行する形で下落した。

米景気は堅調との見方がベースにある中での逆行現象は、(1) 日銀の金融政策正常化観測、(2) 中国の米債投資停止懸念、(3) 米政権のドル安誘導への思惑、などが背景と思われる。(1) は黒田日銀総裁が、(2) は中国国家為替管理局(SAFE)が、(3) はトランプ米大統領が、それぞれ明確に否定の見解を示したが、市場は聞く耳を持たなかった。

ドル/円 2月の見通し

1月のドル/円が米10年債利回りと逆行した事は前述の通りだが、この流れが2月も続くとは考えにくい。米景気が強く、年内に3回以上の利上げが見込める中で、昨年来安値(107.318円)を下回る水準にまでドル/円が売り込まれる理由を探すのは難しい。2日の米1月雇用統計などが良好なら1月の大幅下落の反動でドルの買戻しが強まる事も考えられる。

とはいえ、投機筋の円売りポジションが依然として高水準にある事や、2月が米債の償還・利払い(本邦勢のドル売り・円買い要因と考えられている)のシーズンにあたる事に鑑みれば大きく反発することもまた考えにくい。

手掛り材料面でも、G20、米連邦公開市場委員会(FOMC)、日銀金融政策決定会合などが行われる3月に比べると不足感が否めない。

2月のドル/円相場は、昨春以降のレンジ(おおまかに107-115円)の下半分でもみ合う展開をメインシナリオとして考えたい。

  • 1月ドル/円相場は下落、米10年債利回は上昇

執筆者プロフィール : 神田 卓也(かんだ たくや)

株式会社外為どっとコム総合研究所 取締役調査部長。1991年9月、4年半の証券会社勤務を経て株式会社メイタン・トラディションに入社。為替(ドル/円スポットデスク)を皮切りに、資金(デポジット)、金利デリバティブ等、各種金融商品の国際取引仲介業務を担当。その後、2009年7月に外為どっとコム総合研究所の創業に参画し、為替相場・市場の調査に携わる。2011年12月より現職。現在、個人FX投資家に向けた為替情報の配信(デイリーレポート『外為トゥデイ』など)を主業務とする傍ら、相場動向などについて、WEB・新聞・雑誌・テレビ等にコメントを発信。Twitterアカウント:@kandaTakuya