九州出身者が子どもの頃に食べた定番菓子と言えば、いの一番に名前があがるのがボンタンアメだろう。かくいう筆者も、幼少期にはこの菓子に世話になった。もち米入りの飴をオブラートで包むことによって生まれた、他に類のない食感にはしてやられた。店頭で見付けるにつけ親にせがんだものだ。そんな懐かしの菓子が、なんと酒になったという。時を経て筋金入りの日本酒党となった筆者としては、見逃せない事実である。
鹿児島の老舗と協業で全く新しい商品を
造っているのは、ボンタンアメ製造元の「セイカ食品」と同じく鹿児島県内に本社を構える「本坊酒造」。明治5(1872)年創業の老舗だ。
この2社のコラボによって2015年7月、その名も「ボンタンアメのお酒」(500ml税込1,296円)が発売開始となるわけだが、きっかけは、同酒造が2014年頃より始めた取り組みにある。どういう取り組みかというと、鹿児島の特産品を製造する老舗企業との共同作業で、話題性と斬新さを兼ね備えた商品を開発しようというものだ。
根底にあるのは、「地域に根ざし 地域の資源を活用し 独自の本坊クオリティーを追求する」という同社の経営理念。南九州の特産果実であるボンタンをたっぷり使ったロングセラー商品とのコラボによって、全く新しい鹿児島の特産品が誕生したのだ。
味や風味、色合いはボンタンアメに忠実に
開発時にはボンタンアメのイメージを崩さないよう、色合いや香味もできるだけ本物に近づけるよう工夫したという本坊酒造。度数も6%と低めに設定して、ボンタンアメそのものといった味を追求した。さらに、とろっとした舌触りも癖になりそうだ。
本坊酒造によると、冷やしてストレートで飲んだりロックで飲んだりはもちろん、炭酸水で割ってすっきりした味わいを楽しむのもオススメだとか。「甘みがしっかりした商品なので、デザートとしても楽しんでいただけると思います。夏はかき氷やアイスクリームにかけても楽しんでいただけますよ」とのこと。
鹿児島に遊びに行った際のお土産として購入するのはもちろん、気に入ったらwebショップ等でリピートするのもあり。
焼酎どころならではのおいしいお酒も!
ちなみに同社公式通販サイトには、焼酎のメッカとして知られる鹿児島ならではのおいしい焼酎もそろっている。特に注目は、ピートや桜チップで炊いた燻製芋で造った「スモーク焼酎No.59」だ。サンフランシスコ・ワールド・スピリッツ・コンペティション2017において金賞を受賞した銘品で、豊かなスモークの香りと風味も堪能することができる。
最後に「読者にメッセージを」とお願いしたところ、「ボンタンアメになじみ深い地域の方は、故郷のことを語らいながら『ボンタンアメのお酒』を楽しんでください。そうでない方もぜひ、このお酒を味わいながら鹿児島を感じてくださいね」とのこと。この機会にいろんなお酒を試して、鹿児島の魅力にとことん酔いしれてみてはいかが?