ブラックモンブラン(95円)が大好きな、福岡在住のはるかちゃん(7歳)

「ブラックモンブラン」と聞いてすぐにチョコレートとクッキークランチのコーティングアイスを思い浮かべた人は、九州出身の可能性が高い。なぜならこれ、九州人なら誰もが一度は食べたことがある人気アイスの名前なのだ!

子供の頃から慣れ親しんだ名前と味

製造しているのは、佐賀県小城市にある竹下製菓。アイスクリームや製菓の製造を行う老舗で、商品は主に九州、中国地方の一部で販売している。

その主力商品として40年以上のロングセラーを誇るのが「ブラックモンブラン」だ。バニラアイスをチョコレートでコーティングして、更にその周りをサクサク食感が楽しいクッキークランチで覆った名品で、九州では長いこと大人からも子供からも愛されている。

はるかおねえちゃんとおそろいでうれしそうなゆうかちゃん(右・5歳)

それにしても、なぜバニラとチョコなのに「モンブラン」なのか? この疑問に答えてくれたのは、同社で営業担当部長を務める中野収さん。中野さんによると、同社の前会長がアルプス山脈の最高峰・モンブランに訪れたことがきっかけで商品誕生に至ったという。一体どういうことなのか?

「眼前にそびえる、一面雪で覆われた真っ白なモンブランを眺めながら、『この山にチョコレートをかけたらさぞかしおいしいだろう』との妄想を膨らませ、帰国後、商品化に着手したというわけです」。

なんと大胆な発想であろうか。しかも偶然の思いつきを元に、ここまでのロングランを達成しているのだから恐れ入る。

ひょお~っ! この冷たさがたまりません!!

当たり棒、どうやったら引き当てられる?

そしてさらには、毎年、斬新な「当たりくじ」を用意して子供たちを喜ばせている。「運だめしスロットゲーム」(スロットの種類がそろえば当たり)、「ドキドキトランプゲーム」(トランプの柄や数字がそろえば当たり)など、そのアイディアは尽きることを知らない。食べ進めるうちに徐々に当たりか否かがあらわになる興奮を味わうのもまた一興だ。

いま何の当たりくじが付いているか一目瞭然。こちらは「ドキドキトランプゲーム」の当たりくじ付きブラックモンブラン

ところで、当たりくじをうまく引き当てる方法ってないのか? 誰もが考える疑問をぶつけてみたが、「そうですねえ。当たりの配分や並びについてはこちらでは把握していませんが、店ごとに平等に入っていると思いますよ」とのお答え。むむ。当たりを出すためには定期的に購入し続けるのが一番の近道のようだ。

もちろん、年々さらなるおいしさを追求して、味を改良する努力も怠らない。バニラのコク、チョコレートの質、クランチの軽い食感ともに水準を上げ続けているのだ。また、乳脂肪分をアップした「スペシャルブラックモンブラン」(126円)や、チョコレートアイスを使用した「ビターチョコモンブラン」(105円)も発売している。

「スペシャルブラックモンブラン」はぜいたく気分を味わいたい日にどうぞ

チョコレート好きにおすすめの「ビターチョコモンブラン」(105円)

しかし、こうした豪華バージョンも次々発表していく一方で、オリジナルの「ブラックモンブラン」は100円以内に据え置きしたまま。中野さんによると、この背景には子供たちへの思いがあるという。「やはりワンコイン以内で好きなおやつを買うことを楽しんでほしいですからね」。

その思想ゆえ、同社のその他のヒット作「ミルクック」(95円)、「トラキチ君」(95円)もすべて一律で同じ値段に設定している。

バナナアイスとチョコレートが好相性の「トラキチ君」(95円)

氷片入りのミルクバー「ミルクック」(95円)

事実、九州在住の幼稚園児を持つ母親たちにインタビューしたところ、「子供が大好きで一緒に買い物に行くとせがまれるんです」「私も子供のころ食べていたから、懐かしくて自分の分まで買っちゃいますね。安いから何本もまとめ買いすることもありますよ」との答えが返ってきた。

チロルチョコの「おごりまっせ」も展開中!

そして実は、同社は更にリーゾナブルな1本63円というラインナップも豊富に各種そろえているのだが、その中にある「おごりまっせ」「しっとるケ」は、アラサー・アラフォー世代の九州人にはたまらなく懐かしいアイスなのではないだろうか。

こちら、もともとはチロルでおなじみのチロルチョコによって製造されていたのだが、その冷菓部門が撤退する際、竹下製菓が製造を引き継いだのだとか。

練乳入りココアアイスをミルクキャンディーでコーティングした「おごりまっせ」(63円)

ミルクキャンディーでコーティングしたヨーグルト風味の「しっとるケ」(63円)

写真を見ただけでも、食べていた当時の思い出がまざまざとよみがえってくるという人もいるのでは? 「おごりまっせ」の中からとろ~っと練乳が出てくる快感に再び酔いしれたい!なんて人も多いだろう。なのに九州以外ではなかなか手に入らないのが残念。是非、全国展開をしてほしいところなのだが……。

「関東や関西でも販売してほしいというお声はよくいただくのですが、流通量を増やすのは難しいというのが正直なところです。しかし少しずつでもみなさんの期待に応えられるよう、作戦を考えていきたいですね」。

では、故郷の味を東京でも食べられる日を楽しみに待っておこう。「でも、やっぱり今すぐに食べたい!」という方は、同社オンラインショップからお好みのバラエティパックをご注文あれ。