『「感謝! 」言うてたら、ホンマに儲かりまっせ! 』(実業之日本社)、『入社1年目から使える「評価される」技術』(かんき出版)、『一生食べていくのに困らない「人を味方にする」仕事術』(かんき出版)など、コミュニケーション術や自己啓発・処世術などをテーマにしたビジネス書を多数出版している横山信治氏。

  • 徳本 昌大氏、横山 信治氏、日比谷 尚武氏|

    左から、徳本 昌大氏、横山 信治氏、日比谷 尚武氏

同氏は、日本信販(現三菱UFJニコス)に入社し金融畑を進みながら、日本初といわれるモーゲージバンクSBIモーゲージを設立に参画。現在、住信SBIネット銀行の代理店グッドモーゲージを運営する経営者だ。

このほか、自身の経営者としての経験を伝える実践塾「横山塾」も開講しており、ビジネスマンや経営者向けに講演活動を行っている。さらに、幼少時代に落語で六代目笑福亭松鶴に弟子入りし、上方落語協会最年少落語家としてテレビ、ラジオ、劇場に多数出演していたという過去を持つ。

そんな、異色の経歴の持ち主である横山氏が持つ"人脈"に対する哲学とは何か? ビジネスプロデューサー・書評ブロガーの徳本 昌大氏、IT企業 Sansanで"コネクタ"の肩書きを持つ日比谷 尚武氏の両名とともに語ってもらった。

コミュニケーションはまず、話題づくりから

横山 信治氏

「基本的は、芸もビジネスも同じ、相手が何を求めているかわからなければ、仕事にならない」と語る横山氏

横山氏は、ビジネスパーソンが営業活動(取引先とのコミュニケーション)を行ううえで重要な要素かつ普遍的なテーマとして、「話題づくりの大切さ」を挙げる。インターネットが普及し、様々なコミュニケーションツールが提供される昨今は、これらのサービスを活用すべきだと語る。

つまり、FacebookやLINEなどのSNSを活用することだ。昨今では、大手企業も自社のSNSアカウントを取得し、様々な広報活動を行っている。さらに、ビジネスパーソン個人も趣味や関心ごと、日々の活動などの詳細を掲載しているケースも多いだろう。これらSNSは、営業対象の情報を収集するのには最適なツールと横山氏は語る。

古典的なビジネスツールである名刺からは、社名や部署、名前などの情報しか読み取れないが、SNSからは営業対象の趣味や学歴などの情報を読み取ることができる。そこから会話のヒントを見つけ出し、つながりを構築するために活用するということだ。

  • 日比谷 尚武氏と徳本 昌大氏とともにSNSの活用法についての話題で話が盛り上がる

感謝の気持ちを忘れずに

時代に合わせたコミュニケーション手法として、SNSの活用を勧める横山氏だが、「相手への感謝の気持ちを忘れてはならない」と指摘する。

横山氏が現役の落語家だったとき、食事をご馳走になった場合お礼を三回するのが常識だったという。まず、最初にその場でお礼し、次に場を離れるときに二度目のお礼をする。そして、再会したときに三度目のお礼をするという。さらに次に会う機会があれば、そのたびにお礼を繰り返すという。これは、単純に感謝の意を述べるだけでなく、衆前のもと行うことによって相手の面子を立てることもできるという。ここまでやらなくてもきちんとした感謝の礼を行うだけで相手の印象は大きく違ってくると横山氏は語る。

本稿で紹介した通り、横山氏のコミュニケーション術に根底にあるのは、相手に対する誠意と感謝だ。日本ではよく礼に始まり礼に終わるという。よくよく使い古された表現だが、電子メールやSNSでコミュニケーションが全盛の現在でもこれは十分有効な人脈作りのアプローチであることは間違いないだろう。

「感謝! 」言うてたら、ホンマに儲かりまっせ!

本稿で人脈について語って頂いた横山信治氏の著作『「感謝! 」言うてたら、ホンマに儲かりまっせ! 』(実業之日本社)。「崖っぷちの境遇を、一気に好転させる! 」「41歳から、人生をやり直す! 」「『感謝!』言い始めて、15年、信じられない奇跡」「『言葉遣い』だけで、人生は変わる! 」など、横山氏、自らの成功の秘訣が書籍化されている。


横山信治 著
本体価格 1500円+税
2017年12月20日発売