雨宮慶太氏が原作・監督を務め、その独特なる世界観と幻想的なビジュアルイメージが魅力となって、根強いファンが多数存在する特撮テレビドラマ「牙狼<GARO>」シリーズの最新映画『牙狼<GARO>神ノ牙-KAMINOKIBA-』が、1月6日より全国劇場にて公開される。

  • 左から雨宮慶太監督と栗山航 撮影:宮川朋久

2013年の『牙狼<GARO>~闇を照らす者~』(テレビシリーズ)および2015年の『牙狼<GARO>-GOLD STORM-翔』(劇場版&テレビシリーズ)で主役を務めた黄金騎士・道外流牙(どうがい・りゅうが/演:栗山航)が挑む新たなる戦いとは何か――。

『闇を照らす者』で流牙と共に戦った蛇崩猛竜(じゃくずれ・たける/演:池田純矢)と楠神哀空吏(くすがみ・あぐり/演:青木玄徳)が再登場するほか、『GOLD STORM 翔』で流牙を苦しめた最強の敵ジンガ(演:井上正大)が復活することも大きな話題を集めている本作。ガロ(流牙)に倒されたはずのジンガが、いかにしてこの世によみがえったのか、その経緯も含むミステリアスなストーリーも大きな楽しみどころだが、人間を喰らう魔獣「ホラー」と戦う魔戒騎士たちの、常人離れしたアクションシーンにも期待が寄せられている。

ここでは、本作の原作・脚本・監督を手がけた「牙狼」シリーズの生みの親・雨宮慶太監督と、流牙役としてシリーズを支える主演・栗山航の2人に、最新映画の見どころや撮影時の苦労話、そして「牙狼」シリーズの魅力を語り合ってもらった。

――本作の制作にあたり、雨宮監督が最初に思いつかれた構想とは、どんなものだったのでしょうか。

雨宮:2015年に『-GOLD STORM-翔』の映画とテレビシリーズを作り、流牙の物語は一応完結したという思いがあったのですが、新しい映画を作るにあたって、もう一度世界観を膨らませた物語ができないかなと思い始めたんです。特にジンガと流牙が戦うドラマをもう一度観たい、という思いを込めました。

――今回ストーリーを作られる際、特に重視されたところはどこでしょうか。

雨宮:物語自体は大きなものではなく、ジンガと流牙の価値観のぶつかりあいを撮りたかったんです。だから、そこ(クライマックス)に向かっていくまでのお話作り、という作業でしたね。"2人の価値観がぶつかる"ということは、ジンガの自我がよみがえっていなければならないわけです。この状況をどのように作ろうか……というので、死者をよみがえらせる魔戒法師がいて、それを利用するホラーが出てきて、という筋書きが生まれてきました。過去作のキャラや新キャラなど、たくさんのキャラクターが出てきますが、すべてはジンガと流牙がもう一度剣を交える物語を作るために動いているというのは一貫しています。

――今回は魔戒騎士たちが鎧を奪われた状態で、生身での戦闘シーンが多い映画だと感じました。

雨宮:今度の映画は黄金騎士ガロというよりも、流牙=栗山本人の動きを撮りたいという思いが強かったんです。だって映画のメインタイトルには「神ノ牙」としか書いてないでしょう。実は、「牙狼」とは入れていないんですよ。誰かから「今度の映画ってガロ出てこないじゃないか!」って言われたら「いやいや、今回の映画は"神ノ牙"ですから」と応じようと思ってるんです。何なら『栗山』というタイトルでもよかった(笑)。

栗山:いいですね『栗山』! 今から変更していただいても大丈夫ですよ(笑)。

雨宮:いや本当、今度の映画は栗山の素面アクションありきの作品だからね。

栗山:そこまで栗山を大事にしてくださっているなんて、いま初めて知りました。ありがとうございます! もともと「牙狼」シリーズは、CGをはじめとするデジタル映像と共に、僕たち役者によるライブアクションも大きなウエイトを占めさせてもらっていると思っています。今回の映画でも、アクションは増えるだろうな、と覚悟はしていました。