名古屋駅構内のグルメがいっそう充実することになった。JR名古屋駅広小路口の「キュイジーヌマルシェ驛」が「名古屋うまいもん通り」として12月7日にリフレッシュオープン。名古屋メシの名店をはじめとする4軒の新店舗が加わった。

  • 名古屋うまいもん通り

    名古屋うまいもん通りが新装オープン!

JRグルメゾーンは「名古屋うまいもん通り」に統一

「名古屋うまいもん通り」は新幹線改札に近い太閤通口、中央コンコース・中央改札側にもあり、合わせて38店舗の"うまいもん"がJR名古屋駅構内に集結することとなった。

物販を含めて15店舗が居並ぶこの広小路口側のうまいもん通りに新登場したのは、「炭火焼肉スギモト」、味噌煮込うどん専門店「山本屋本店」、活け魚料理「まるは食堂」、自家製麺とインドカレーの店「よもだそば」。

名古屋メシの有名店、地元では有名な肉の老舗ブランド、そして名古屋初登場の店とバランスのとれたラインナップとなっている。

  • 名古屋うまいもん通り

    全38店舗が集結している名古屋うまいもん通り

味噌煮込みうどん・山本屋本店では豪華限定メニューを

他地域からの旅行・出張者に喜ばれそうなのが「山本屋本店」。名古屋メシの代表格である味噌煮込うどんの専門店だ。

土鍋の器でぐつぐつと沸き立つ豆味噌のつゆ。太くて歯ごたえのある独特の煮込み専用麺。見た目も味わいも他の地域にはなく、初めての人は驚く。しかし、最初は辛く感じる味噌には奥深いコクがあり、固いと思った麺もじわじわ味噌がしみて噛むほどにうまみが感じられ、食べ進むごとにクセになってくる。

  • JR名古屋駅店限定の「大名味噌煮込うどん」(1,980円)。豪華食材の組み合わせの割にお値打ち価格。味噌煮込うどんは1,080円~各種あり

    JR名古屋駅店限定の「大名味噌煮込うどん」(1,980円)。豪華食材の組み合わせの割にお値打ち価格。味噌煮込うどんは1,080円~各種あり

名古屋市内を中心に15店舗目の出店となるが、ここでしか食べられないのが名古屋コーチンとえび天が入った「大名味噌煮込うどん」(1,980円)。名古屋づくしの豪華な取り合わせは遠来の人にこそお薦めしたい。

  • 山本屋本店店内

    店舗は奥へと広く48席。酒の肴になる一品もあり、ここ1軒でちょい飲みから〆にまで使える

ジャンボエビフライのまるは食堂も限定メニューに注目

「まるは食堂」はジャンボエビフライが名物。名古屋からおよそ1時間の知多半島・南知多町の本店は、昭和32年に食堂を開業した老舗で、近年は名古屋などにも積極的に店舗展開し、今回がグループ8号店となる。

エビフライはとにかくデカくてぷりぷり。さくさくした衣にも味付けしてあるのが特徴だ。そして、名古屋市内の店舗では味噌味のエビフライ丼があるが、ここではそのソースバージョンが登場。衣にソースが適度にしみ込み、エビの甘みをよりシンプルに味わえる。

  • エビフライ丼ソース味

    ソース味のエビフライ丼(980円)が限定メニュー

入口横にガラス張りの厨房があり、魚をさばく様子を見られるのも駅構内の飲食街ではまずない粋な演出。南知多で揚がった魚介メニューの新鮮さを視覚的にアピールする。

定食に丼、そしてもちろん豊富なアラカルトメニューで、がっつり飯にも飲みにも使える1軒だ。

  • まるは食堂

    店舗では、魚をさばく様子を見られる粋な演出も

炭火焼肉スギモトでオリジナルブランド牛をリーズナブルに

「炭火焼肉スギモト」は、明治33年創業、地元で絶大なるブランド力を誇る「お肉の専門店スギモト」の直営店。目玉の尾張牛は何と自社ブランドの愛知県産和牛だ。

飼育期間を長くしたことで、脂身にほどよい甘みのある肉は、専用牛を一頭買いし、この店限定の尾張牛ホルモン9種盛りなどで提供する。コースは3,500円~、ランチは1,080円~とコスパが高いのも魅力となっている。

店内は木を多用した上品かつくつろぎ感のある雰囲気。のれんで目隠しをして個室使いできる空間もあり、子ども連れなどでも利用しやすい。

  • 炭火焼肉スギモト

    店舗デザインには名古屋の人気建築デザイナー・神谷利徳氏を起用。駅構内の飲食店とは思えないおしゃれな雰囲気

自家製麺と本格インドカリーがウリの「よもだそば」

「よもだそば」は東京の日本橋、銀座で行列が絶えないスタンド式そば店。東海地方では初出店となる。そばは自家製麺で、駅ナカ店としては珍しく店舗内で打っている。名古屋名物のきしめんもあり、こちらはのどごしよくつるつるとのどを通っていく。

  • よもだカレーきしめん

    オープン特別メニューの「よもだカレーきしめん」(500円)は、1日10食限定で12月13日まで

驚いたのは、ライスや麺に合わせて提供されるカレー。スパイスを各種ブレンドした本格インドカレーで、複雑で奥の深い香りやうまみは専門店にひけをとらないほど。鶏だしと和風だしをミックスしてあるのでそばにもきしめんにも合うのはもちろん、日本の米との相性にも考慮して調理してある。量控えめの半カレー300円もあるので、麺とカレー双方の魅力を楽しみたい。

  • よもだそば

    350円のかけそばをはじめ、リーズナブルな価格設定

営業時間はよもだそばが22時までで他3店は23時まで。JR在来線の広小路口改札が通りの中央に位置するので、帰りの電車の発車時刻ぎりぎりまで食事を楽しめるという"地の利"も魅力だ(新幹線のぞみの最終便は東京行き22時12分、大阪行22時58分)。

名古屋に着いたらまず、あるいは名古屋旅行・出張のしめくくりに、名古屋のうまいもんを堪能していただきたい。

●Information
名古屋うまいもん通り 広小路口
住所: 愛知県名古屋市中村区名駅1-1-4 JR名古屋駅構内
営業時間: 山本屋本店、まるは食堂、炭火焼肉スギモトは 11~23時、よもだそばは7~22時
定休日: 無休

※価格は税込

筆者プロフィール: 大竹敏之(おおたけとしゆき)

名古屋在住のフリーライター。雑誌、新聞、Webなど幅広い媒体で名古屋情報を発信する。名古屋メシ関連の著作を数多く出版。著書に『名古屋の喫茶店』『名古屋の居酒屋』『名古屋メン』『名古屋めし』(リベラル社)、『名古屋の商店街』(PHP研究所)、『東海の和菓子名店』(ぴあ中部支局/共著: 森崎美穂子)などがある。Webガイドサイト「オールアバウト」名古屋ガイド。愛知県や名古屋市などの協同プロジェクト、なごやめし普及促進協議会ではアドバイザーを務める。