――カメラと多くのスタッフに囲まれて、平常心でいられましたか?

もう、ド緊張です。たった一言のシーンだったんですけど……。現場に入ってからは口の筋肉を必死に動かして、滑舌練習や腹式呼吸を繰り返しました。撮影が終わったあとは舌が筋肉痛で吊っちゃうくらい(笑)。しかも目の前には、西田敏行さんや遠藤憲一さん、陣内孝則さん……。

――そうそうたる顔ぶれですよね。オンエアは、ご覧になりましたか?

はい! 最後のテイクでOKをいただいたものが使われていたと思います。礼をして笑わない無表情、無感情パターンもあって、最後は「笑ってみて」と言われました。

――第二秘書のロボット・ソンタくんとのシーンが多いですね。ロボットと共演するのもなかなかない体験だと思います。

ソンタくんにライバル心を抱いています。「私の方が蛭間医院長に好かれてる!」みたいな(笑)。そんなソンタくんは、持ち方を間違えるとフニャンとなっちゃうんですよ。それがすごく難しくて。触ってないのに、大きな音を立てて自分から落っこちたことがあったんです。本当にびっくりしました。それから、大暴れしちゃってNGになったり(笑)。私はいつも近くにいるので、何かしたと思われるじゃないですか。だから、普段はあまり近づかないようにしています(笑)。

――西田敏行さんとのことは取材でもよく聞かれると思います。以前秘書役を演じた田中道子さんから、アドリブの事前情報があったそうですね。

直接お話をうかがいました。道子さんはインタビューでも語っていらっしゃって。取材記事はひたすら読みました。

――実際に共演してみていかがでしたか?

すごいです。でも、本番でいきなりアドリブというわけではなくて、テストのタイミングで西田さんが感じたものを披露されて、監督が「おもしろい」となるとまとまる。台本にないことはテストを繰り返して本番という流れです。

遠藤さんは台本に忠実なイメージがあります。鈴木浩介さんアドリブ本当にすごいんです! 1度台本を読み込んでご自身の色を出されるのがすごい! 陣内さんは今までにないキャラクターで面白いです。

――米倉さんとの共演シーンは?

今のところありません。事務所でばったりお会いした時にあいさつさせていただくんですが、恐れ多くて演技のことなんか聞けなくて……。少しだけお話した印象ではクールというか、どんな人でも態度が変わらないのが女性としてカッコイイなと思います。

父に感謝する「人生の夏休み」

――米倉さん演じる大門未知子の決め台詞といえば、「私、失敗しないので」。日常ではなかなか言えないと思いますが、この言葉についてどう思いますか? 実際に是永さんは、レッスンの失敗があって今に繋がっています。

失敗しても1つずつクリアしていく。その忍耐力は誰にも負けないと思います。続ける力というか。それは空手でも学んだことですし、性格的にも負けず嫌いな部分もあるので。

――お父さんは「どんなことでもチャレンジしなさい」みたいな教えだったそうですね。

大学は職業を選択するステップで、「人生の夏休み」と教わりました。高校までは空手しかやってなくて、田舎なので他にやることもなくて。福岡に出てアルバイトしたり、いろいろな人と関わったり、ゼミで先生とお話したり。大学でそういう経験ができたのは、父のその言葉があったからだと思います。

――先のことばかり考えていると、可能性は狭まってしまう。そういう点でいうと、是永さんの積極性はとてもすばらしいことだと思います。晴れ着の囲み取材でも、レポーターからの質問に真っ先に手を挙げていましたね。

出しゃばってすみません(笑)。何か立候補できる場面があったら、一番目か最後が大事だと大学の時に先生から学んで、それを素直に受けとめていて(笑)。本当に何にも考えずに実行していました。オスカー所属の方が何百人といる中で、晴れ着の場に立たせてもらえるというのは考えられないことなので。何か爪痕を残さなきゃという思いがありました。

――さて、今回のドラマ出演に際し、米倉さんからは「女優デビューの作品でこれだけの共演者の方々に恵まれて、西田敏行さんとお芝居ができるなんてすごく幸せなことですので、頑張ってください」という励ましのコメントが届いていました。

すごく大きなチャンスだと思っています。でも、こうして撮影がスタートすると、本当にあっという間に感じます。ドラマを終えた時に少しでも成長できているよう、大先輩の方々の演技をしっかりと目に焼き付けてたいですし、次の作品に向けて自分の変わるべき部分が見つかればと思います。

■プロフィール
是永瞳
1995年7月15日生まれ。大分県出身。身長173センチ。O型。12歳から始めた空手は二段。2016年9月、「第1回ミス美しい20代コンテスト」で、4万18通の中からグランプリに選ばれた。「きものクイーンコンテスト2017」のスペシャルサポーターに就任。今年5月には、「TOKYO2020 オリンピック空手スペシャルアンバサダー」に起用された。