先進装備を充実し、レースの栄光を盛り込む

接客と同時に、新しいアルファロメオをどのように売っていこうとしているのか。今年から、ブランドコミュニケーションテーマとして「IQ/EQ」を打ち出している。IQは知性、EQは感性を意味する。

「IQの面では、技術を駆使し、これまで不十分であった安全装備の充実を推し進めていきます。EQはアルファロメオらしい感触や臭い、あるいは走行感覚といったことになります。例えば、ドイツのニュルブルクリンクの周回タイムにおいて、市販のセダンとしてジュリアもステルヴィオも最速を記録しています。かつてのレースにおける栄光の歴史を、ブランドとして押し出していきたいと考えています」

「競合となるメルセデス・ベンツ、BMW、アウディなどに対しても、乗って楽しいということを訴えていきたいと思います」

乗って楽しいクルマだという「ジュリア」(画像はジュリア ヴェローチェ)。都内を試乗していると、すれ違う歩行者からの熱い視線を感じることが何度かあった

ジュリアの開発では、最上級の高性能車種である510馬力エンジンを搭載した「ジュリア クアドリフォリオ」をまず作り上げ、その技術をベース車種のジュリアに展開させる手法を採っている。ここは、ベース車種にサブブランドとして「AMG」(メルセデス・ベンツ)や「M」(BMW)といった高性能車種を追加でそろえるドイツメーカーとは、やり方が異なるという。