出店パターンが充実、FC展開で出店を加速

フレッシュネスでは現在、フードコート、大型商業施設、ベーカリー併設店舗、アルコールも提供する業態など、さまざまな出店パターンで実績作りとトライアルを進めている。業態によって投資がどのくらい必要で、どのくらいの収益率が見込めるかなど、資料作りを含めてビジネスモデルの構築を急ぐ。

2017年7月にオープンした「フレッシュネスバーガー聖路加タワー店」では、併設新業態として「フレッシュネスベーカリー」(画像)がスタートした

この作業には1年程度を要するというのが社長の見通しだが、ビジネスモデルが用意できればFCオーナーを募って店舗拡大を加速させる。FC展開としては、コロワイドグループの既存オーナーにフレッシュネスの出店を打診することも考えているそうだ。

店舗が増えると面白くなりそうなことがある。それは店舗限定メニューの発展だ。現状、フレッシュネスでは「大分とりてんバーガー」や「宇都宮野菜餃子バーガー」など、約10種類の店舗限定メニューを展開している。これらは現場からのアイデアを本部が商品化したメニューだが、店が増えればアイデアの出所も増えることになる。

大分とりてんバーガー(左)と宇都宮野菜餃子バーガー

食材の流通と衛生の問題もあるので、クオリティ・コントロールの観点からしても、限定バーガーのレシピを最終的に本部が作るのは当然だろう。しかし、全ての店舗で提供するメニューも1つの店舗で提供するメニューも、商品開発にかかる本部の労力は同じなので、店舗限定メニューを増やすことはチェーン店の効率的な運営と矛盾する部分がある。しかし船曵社長は、「100%ガチガチのチェーンではないというのもフレッシュネスのよさ」とし、限定メニューもフレッシュネスが守っていくべき1つのポイントだと明言した。

メニュー開発も内装も、ある程度はFC店に委ねる自由度がフレッシュネスにはある。例えば、FC店の内装は本部で決めるというのが基本ルールだが、店にとってプラスとなる現場での改善は容認する。実際に、熊本県にはオーナーの好みを色濃く反映した店舗も存在するそうだ。「ある程度の自由度」は、FCオーナーになることを検討する人にも響くポイントかもしれない。

丸くならず、やんちゃなバーガーチェーンに

「モスバーガーがクラスの優等生だとすれば、フレッシュネスは少しやんちゃな生徒」だと船曵社長は語っていた。400店舗体制へと拡大する中で、ブランドの“とんがり部分”を削りすぎて丸くなってしまえば元も子もないので、この二律背反に何らかの回答を示せるかどうかが、今後のフレッシュネスにとって大きな課題となるだろう。店を増やす過程で、フレッシュネスの自由度に惹かれて意欲的なFCオーナーが集まるような事態になれば、フレッシュネスは全国一律で同じ顔を見せる既存のチェーン店とは違った、新しいチェーンの在り方を示す存在になれるかもしれない。