トヨタ自動車はラグジュアリーブランド「レクサス」のフラッグシップモデル「LS」の新型を日本で初公開した。プレミアムカー市場ではメルセデス・ベンツ、BMW、アウディの“ジャーマンスリー”と比較されることの多いレクサスだが、LSはある分野で世界一を目指すという。そのカギを握るのが、世界初搭載となる新規技術だ。

日本初公開となったレクサスの新型LS

世界初採用のアクティブ操舵回避支援技術

レクサスはトヨタが展開するラグジュアリーブランドで、「時代を先取りし、新たな驚きを創造すること」をクルマづくりの信念とする。LSはレクサスのフラッグシップセダンで、1989年に初代が登場。今回の新型は5代目で、2017年1月のデトロイトモーターショーにてワールドプレミアが行われた。車種は「V6 3.5L ツインターボエンジン」を積む「LS500」とハイブリッドの「LS500h」を用意する。発売は2017年秋以降で、価格は現時点で明らかになっていない。

トヨタは6月26日に日本で新型LSの発表会を実施。その場で熱心に語られたのは、新型LSが世界で初めて採用したという「アクティブ操舵回避支援技術」だった。

世界初の技術を搭載

目指す姿は世界で最も安全なクルマ

アクティブ操舵回避支援技術とは、予防安全技術の1つだ。歩行者との衝突を回避する技術としては自動ブレーキの導入が進んでいるが、トヨタは一歩ふみ込んで、万一の場合にはクルマ側でハンドルを自動操作する技術を新型LSに搭載したのだ。この技術を支えるのは、新型LSに備わる「全方位センシング」という能力だ。

カメラとレーダーで周囲の状況を把握する全方位センシング

新型LSは自車線内に歩行者やガードレールなどを検知し、衝突の危険があると判断した場合、ドライバーに注意を喚起し、警報、ブレーキアシスト、自動ブレーキと危機回避のための機能を段階的に働かせる。ここまでは他社のクルマも採用している技術だが、新型LSは衝突の可能性が非常に高いと判断すると、周囲の状況を検知し、ハンドルを操作して回避行動をとる。ちなみに、ハンドルを切る範囲は走っている車線内にとどめるという。

予防安全技術で世界初の技術を搭載した新型LS。トヨタ先進技術開発カンパニーのプレジデントを務める伊勢清貴氏は発表会に登壇し、このクルマが目指す姿を「世界で最も安全なクルマ」と表現した。