コーヒー販売はコンビニに軍配、熱いスイーツで反撃

コーヒーの販売量で圧倒的な力を持つのは、今やコンビニだ。コンビニ各社はコーヒーをてこ入れすることにより、さらなる来店客を勝ち取ることができている。しかし、少し苦戦を強いられているのがコーヒー“プラスアルファ”の商材である。

一時期はドーナツに力を入れていたが、ここ数年はスイーツに注力しているのがコンビニだ。ある大手チェーンはレシート値引き戦略により、コーヒー効果による来店促進を図っている。コンビニ各社の強みは商品力・品ぞろえにあるが、温度が高く“アツアツ”のスイーツには多少の弱みを持っている。

一方、マックはベーコンポテトパイやアップルパイ、そして今回のシナモンメルツにより、熱いスイーツをキーワードとして集客増に取り組んでいる。熱いコーヒー戦争ではコンビニに敗北を喫したマックが、熱いスイーツ戦争で挽回を期すという構図だ。

アツアツのスイーツではコンビニよりもマックに分がありそう

無料配布キャンペーンの潔さと公平性

今回発表されたマックのキャンペーンには、商品を値引きすることをよしとせず、無料お試しキャンペーンとしているところに、潔さを感じた。値引きすることにより、商品の価値を自ら下げるのではなく、「お試しキャンペーン」として価値を維持したまま、思い切ってダダで顧客に提供する仕組みを選択したわけだ。

例えばレシートに「30円割引」と記載してクーポンスタイルの割引を実施した場合、不公平感を抱く消費者も出てくるものと考えられる。今回のお試しキャンペーンはある意味、条件なしの無料提供だ。条件をつけず、多くの顧客に無料でコーヒーを飲む機会を提供するスタイルは、消費者に対して公平な手法と言えるのではないだろうか。

「HOT JAPAN」というキャンペーンによる商品展開は、あくまでもスイーツとドリンクを前提としている。今回は、その第1弾という触れ込みだ。「グラコロ」など、冬の季節商品が登場するまでのつなぎとしての役割ではなく、あくまでも「冬を温かく過ごしてほしい」という思いをもとに、キャンペーンを展開するという。

「HOT JAPAN」キャンペーンには第2弾以降の展開もあるらしい

「おいしさ向上宣言」が実際にどうなっていて、店舗環境は今どうなっているのか。久しくマックから足が遠のいていた消費者にも来店機会を創出する今回のキャンペーンだが、マックからの問いかけに、消費者はどう答えるのだろうか。