俳優の玉木宏が、主演を務めるテレビ東京系ドラマスペシャル『巨悪は眠らせない 特捜検事の標的』(4日21:00~)の取材会に出席した。

玉木宏

同作は、『ハゲタカ』『コラプティオ』などの作品で知られる作家・真山仁の社会派長編作品『標的』を原作とした社会派ドラマ。東京地検特捜部に赴任した検事・冨永真一(玉木宏)の姿を描く。2016年10月に放送された『巨悪は眠らせない 特捜検事の逆襲』の続編となる。

今回は、女優の名取裕子演じる日本初の女性総理候補・越村みやびと対峙することになった玉木。初共演となったが、「すごくお話好き」で、現場にフルーツやスイカを差し入れる名取から、「非常にたくさん優しくてしていただいた」と振り返った。

作中で越村の受託収賄容疑を追い詰めることになる玉木は、「決定的な証拠はそろってはいるけど、最終的には自白をさせたいという思いなので。証拠は突きつけつつも、ご本人の心に寄り添うような取り調べとは、心に置きながらやっていました」とシーンについて語る。映画のカメラマンも多く、楽しんで撮影する監督とともに物語を作り上げたことで「取調室でも、少し動きがあるようなものに仕上がってます」と自信を見せた。

介護・高齢化問題と向き合う今作について、玉木は「今の東京と近いところに置き換えやすい題材なのかもしれないし、もしかしたら女性が総理になる時代が来るのかもしれない」と考えを巡らす。「斬り込んでいける作家さんは、今のご時世、少なくなってきてると思うので、こういう作品を描き続けるというのも、信念だと思う」と原作を称賛し、「政治がわからない人、もやもやした人が見てもわかりやすく伝わっていくといい」と思いを表した。

原作の真山からは「今回結末を迎えるためには、冨永の人間力を見せてもらわないといけない」と言われたという。その真意を問われると、玉木は「それはすごく難しいなと思ったんです」と苦笑しつつ、「冨永がちゃんと相手に寄り添わなければいけない。プレッシャーだけの言葉じゃなくて、セリフもどこか優しい気持ちにならなければいけないなと思って。やっていました」と役作りを明かした。

年齢を重ね、重厚な役も多くなっているが、「全く逆の方に行きたくなるし、作品ありきなので広くできたらいいなと思いますね。偏らずに」と心境を吐露。「あまり偏ったイメージになるのは避けたいので」と、今後の役への希望を見せた。