下北沢と言うと、どのようなイメージを思い浮かべるだろうか。大雑把にまとめると、「演劇」「カフェや古着屋が多い」「どうも個性的っぽい」というところかもしれない。そんな、東京都内でも一種独特な雰囲気を漂わせる下北沢の、ちょっと異色な食べ歩きグルメ&飲み歩きスポットを紹介しよう。
下北沢は商店街密集地
若者の街として知られる下北沢は、新宿から約7分、渋谷から約4分という絶妙な立地である。週末ともなると各地の若者や、さらには各国の旅行者までもがやってくる。そんな中で「商店街」と言うと、途端に地味な印象になるかもしれない。しかし実際には、駅周辺の最も賑わいを見せる一帯は大きく6つの商店街からなっている。つまりは誰もが、商店街を目指して遊びに来ているのである。
街には若者だけでなく、カートを引くお年寄りも見かける。おそらくその多くは、古着屋巡りに来ているのではない。長年、下北沢に住んでいる人々だろう。その様子から、「どうも下北沢には長い歴史がありそうだ」と思って街を眺めると、確かに昭和30年代風な建物も多く、商店のおやじさんたちが軒ごしに会話する風景は、いかにも下町感で溢れている。下北沢は、そんな昭和的土台がある上に若者文化が層を成していったのだろう。
グレービーソースで食すフライドポテトのお味とは!?
下北沢は、やはり独特と言わざるを得ない。思わず「え?」と聞き返したくなる、もしくは二度見したくなるようなグルメがここぞとばかりに登場する場所なのだ。もはやそれは、この土地ゆえのものだろう。
フライドポテト専門店「Robson Fries」は、「カナダスタイルのフライドポテト」を販売している。その通り、「芋」と書かれた看板の下にカナダの国旗がはためいている。カナダスタイルがどんなものかと言うと、グレービーソースとチーズがかかっているフライドポテトだ。「プーティン」と言うらしい。
プーティンの「プレーン」(Regular/420円)が基本形で、トッピングとしてソーセージやローストビーフが載っているものもある。ここまでくると、もはやスナックではなくおかずだ。「他では飲めない」とされる珍しいビールやカクテルと一緒に、カナディアンな気分でポテトを楽しんでみたい。
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紙のパッケージも何となくカナダっぽい!? 生ビールやカクテル(390円)の他、下北澤ビールなどの変わり種も。写真は「プーティン(プレーン)」(Regular/420円)と、梅酒のような味わいのベルギービール「リンデマンスアップル」(660円)。カナダなのにベルギービールという矛盾 |
●information
フライドポテト専門店 Robson Fries(ロブソンフライズ)
東京都世田谷区北沢2-31-5
たこ焼きを研究するたこ焼き屋
個性的な街となる理由は、個性的な人がそこにいて、個性的な店を出しているからである。そのひとつが「下北沢たこ焼き研究所」だ。ここでは、土日限定の「カレー味のたこ焼き」(6個入り/330円)を食べてみたい。
「研究所なんですね」と尋ねると、一見シャイな店主は「たこ焼きをいろいろ研究中なんだよね」と答えた。店頭で食べると「麦茶飲む?」と言ってカップに氷入り麦茶を出してくれた。気さくな雰囲気のたこ焼き屋で和みのひと時を過ごしてみよう。
●information
下北沢たこ焼き研究所
東京都世田谷区北沢3-34-2
「真夜中の駄菓子屋」の謎
たこ焼きでホクホクしたところで数歩進むと、無数のドラえもんが並んだショーケースとともに、古びたドアを見つけた。大きく「悪童処」と書かれている。スナックのように見えなくもないが、実は駄菓子屋。悪童処は「わるがきさろん」と読むのだそうだ。
しかも、子ども時間の日中ではなく、真夜中に営業しているという(しかし昼でもドアが開いていたため入店)。人がすれ違えないほどの細長い店内の壁に、びっしりと駄菓子が並んでいる。
●information
悪童処(わるがきさろん)
東京都世田谷区北沢3-34-4
意外なグルメとの出会いの多い下北沢の中で、最も想像しがたいスイーツの店がある。続いてはそんなスイーツを紹介しよう。