「海外旅行保険はクレジットカードに付いているから、自分で加入しなくても大丈夫」という人もいますが、本当にそれでいざというときの補償は十分でしょうか。もちろん「事故やトラブルは心配だけど保険料も安くないから」という気持ちもわかります。

そこで注目したいのが、必要な補償だけを選んで追加できるオーダーメイドタイプの海外旅行保険。これなら、割安な保険料で不足している補償を上乗せすることができます。

海外旅行保険で補償される項目にはどんな項目がある?

まず、海外旅行保険で補償される項目を確認しておきましょう。保険会社やプランによって内容は多少異なりますが、基本的な補償項目と簡単な内容をまとめたのが下図です。

海外旅行保険の主な補償内容

ジェイアイ傷害火災保険がまとめた「2016年度 海外旅行保険事故データ」によると、補償項目別の事故件数が最も多いのは「治療・救援費用」。海外の医療費は日本と比べて高額なことが多く、救急車などの交通費、医療通訳費、旅行先によっては治療のために日本や第三国へ医療搬送をする費用などが生じるため、保険金の支払いも高額になる例が多いようです。

2位はパスポートやスーツケース、カメラ、携帯電話といった手荷物の盗難や破損を補償する「携行品損害」。3位は航空機の遅延や欠航、航空会社に預けた手荷物が届かないなど予期せぬ事故で負担を余儀なくされた交通費や宿泊費を補償する「旅行事故緊急費用」となっています。

クレジットカードに附帯された保険内容を確認するときの注意点は?

クレジットカードに附帯されている保険内容を確認する際、最初にチェックしたいのが「自動附帯」なのか「利用附帯」なのかということ。自動附帯ならばカードを持っているだけで適用されますが、利用附帯の場合は航空券やツアー費用などの旅費をカードで支払った場合のみ適用されます。

次は保障額です。カード附帯保険と海外旅行保険の大きな違いは、海外旅行保険では1,000万円以上に設定されていることが多い「治療費用」や「救援費用」が100万~200万円程度、1億円が一般的な「個人賠償責任」が2,000万円程度と補償が低いこと。旅行先にもよりますが、治療費用や救援費用は万が一の場合も安心といえる金額ではなさそうです。また、カード附帯保険に疾病死亡の補償はありません。

複数のカードを持っている場合は、どうでしょう。基本的には合算した金額が限度となりますが、死亡保険金、後遺障害保険金については附帯保険のうち最も高い金額を限度として保険金が支払われます。またカード会社によっては、同じ会社のカードを複数持っていても合算されない場合があります。新規にクレジットカードを保有した場合も、適用対象となるには一定期間後に出発する旅行からというケースもあるので、詳細は保有しているカード会社に確認することをおすすめします。

安心できる補償を割安に確保できる海外旅行保険がある

病気や事故などトラブルに遭う可能性は高いとはいえないけれど、やはり万が一に備えておきたい。でもクレジットカードの附帯保険もあるのだし……という人の選択肢になる、必要な補償だけを確保できる保険の主な商品が下図です。

必要な保障を選べる主な海外旅行保険

「off!」と「t@biho」は、必要な補償のみを選んで加入することができるオーダーメイドタイプ。「ネットde保険@とらべる」はクレジットカード附帯保険で不足しがちな治療・救援費用、疾病死亡、弁護士費用に絞ったタイプ。いずれも保障内容を限定することで、保険料が割安になっています。

また、加入することで24時間365日、日本語で対応してくれるサポートデスクを利用できるなど、いざというときの安心感がアップします。


鈴木弥生
編集プロダクションを経て、フリーランスの編集&ライターとして独立。女性誌の情報ページや百貨店情報誌の企画・構成・取材を中心に活動。マネー誌の編集に関わったことをきっかけに、現在はお金に関する雑誌、書籍、MOOKの編集・ライター業務に携わる。ファイナンシャルプランナー(AFP)。