今年5周年を迎えた東京・銀座の広島県アンテナショップ「TAU」にこのほど、県民のソウルフードとして知られる「広島式汁なし担々麺」の名店「キング軒」がオープンした。東京ではまだあまり知られていないが、広島では立ち食いそばのように親しまれているという「汁なし担々麺」。どんな麺グルメなのか、さっそく食べに行ってきた。

「広島式汁なし担々麺」580円

「広島式汁なし担々麺」とは?

ここ最近、空前の"汁なし系麺"ブームとあって、多数の専門店がオープンしたり、カップ麺が発売されたりしている。中でも代表的なのが下記の3つ。

・東京「油そば」
・盛岡「じゃじゃ麺」
・名古屋「台湾まぜそば」

「汁なし麺」と聞くと、この「広島式汁なし担々麺」も似たようなものなのでは? と思う人もいるかもしれないが、これがまったくの別物。大きな特徴としては……

・やや低下水の細・中細麺
・山椒を引き立たせた味の構成
・手ごろな価格と提供時間の早さ
・ライスと一緒に食べるのが主流

といった点が挙げられる。2001年頃に県内で発祥し、"安くてうまい"ことから人気に火が付き、今や立ち食いそばのように県民たちに広く親しまれている。

山椒が効いたシビれるうまさ!

テーブルに運ばれてきたのは「広島式汁なし担々麺」(580円)と「温泉たまご」(50円)。つやのある細麺の上にどっさりと青ネギがのっており、山椒の香りがなんとも食欲をそそる。ちなみに、オプションの「温泉たまご」は麺にのせるのではなく、すき焼きのようにつけて食べるスタイルとのことだ。

では「いただきます」と、さっそく食べてしまいそうになるが、食べる前にはちょっとした準備が必要とのこと。麺、ネギ、肉みそ、タレのすべてがまんべんなく混ざり合うことで完成する食べ物なので、食べる前に30回以上よく混ぜるのがマストなのだ。

こうやってかき混ぜていく

この汁がなくなるまでかき混ぜる

これでかき混ぜ完了

準備が整い、いよいよ実食。ひと口食べると、口の中にシビれが走る!! 今まで食べてきた「汁なし担々麺」とは、まったく違うパンチの効いた味に驚いた。だが、麺によく絡んだコク深いタレ、強いシビれが特長の山椒、シャキシャキの青ネギがいい感じに調和しており、なんともクセになる味わい。毎日通う人も多いという県民の気持ちがわかる。

価格は580円とリーズナブル。しかし"安かろう悪かろう"でなく、醤油ダレも特注麺も青ネギもすべて広島産の厳選した食材を使用しているとあって、しっかりクオリティが高い。これは、"汁なし系麺"ブームの一役を担うニューフェイスと言えるだろう。

「汁なし担々麺専門 キング軒 銀座出張所」の所在地は、東京都中央区銀座1-6-10 銀座上一ビルディングTAU1階。営業時間は11~15時、17~20時(土日祝は11~20時)となっている。

※価格はすべて税込