ビジネスパーソンの就業意欲に大きな影響をおよぼす夏のボーナス。景気動向にも左右されるため、出るのか出ないのかハラハラした人もいたことだろう。今年の支給状況は? その具体的な使い道は? マイナビニュースに聞いてみた。

まず、マイナビニュース会員である会社員500名に夏のボーナスを貰ったか聞いた。結果は「はい」が62.2%(311人)、「いいえ」が37.8%(189人)だった。

ボーナスは何割残ってる? 何に使った?

続いて、ボーナスを貰った人に「現時点でボーナスが何割余っているか聞いた(調査時期: 2017年7月14日)。なお、この質問では、貯金は「残っている分」に含めた。例えば支給額100万円で60万円を貯金、40万円を買い物に使った場合は「6割残っている」となる。

結果は次の通りだ。「全額残っている」が38.6%(120人)、「9割」が9.3%(29人)、「8割」が12.2%(38人)、「7割」が8.0%(25人)、「6割」が7.1%(22人)、「5割」が9.3%(29人)、「4割」が1.6%(5人)、「3割」が3.5%(11人)、「2割」が1.6%(5人)、「1割」が1.3%(4人)、「残っていない」が7.4%(23人)だった。

なお、「全額残っている」と答えた人以外に、ボーナスを何に使ったかも聞いている。回答の中で興味深いものを筆者の独断で紹介していく。

  • 「9割残っている。彼女のプレゼント費用」(25歳男性 / 愛知県 / 未婚 / 輸送用機器 / メカトロ関連技術職)

  • 「8割残っている。老後の生活のために貯蓄」(39歳女性 / 東京都 / 未婚 / その他 / その他・専業主婦等)

  • 「8割残っている。電動アシスト付自転車に12万円」(36歳男性 / 東京都 / 既婚 / 海運・鉄道・空輸・陸運 / 事務・企画・経営関連)

  • 「7割残っている。ディズニーランドに2泊した」(49歳男性 / 京都府 / 既婚 / フードビジネス(洋食) / 事務・企画・経営関連)

  • 「7割残っている。衣料品代、友人や家族との食事代、それから化粧品代、エステ代として使いました」(59歳女性 / 埼玉県 / 未婚 / 医療用機器・医療関連 / 専門サービス関連)

  • 「6割残っている。へそくりにした」(52歳男性 / 奈良県 / 未婚 / 化粧品・医薬品 / 営業関連)

  • 「5割残っている。オーダーメイドのスーツ2着とYシャツ3着、夏休みの海外旅行代金(シンガポール)」(33歳男性 / 神奈川県 / 既婚 / コンピューター機器 / 事務・企画・経営関連)

  • 「3割残っている。4Kテレビを買った」(34歳男性 / 岡山県 / 既婚 / 銀行 / 事務・企画・経営関連)

  • 「2割残っている。車検とアパートの更新」(41歳男性 / 石川県 / 未婚 / 半導体・電子・電気機器 / 技能工・運輸・設備関連)

  • 「残っていない。借金返済」(42歳男性 / 埼玉県 / 未婚 / 教育 / 営業関連)

  • 「残っていない。子供の教育費」(54歳男性 / 大阪府 / 既婚 / 家電・AV機器 / メカトロ関連技術職)

ボーナスは何割残ってる? 何に使った?

このほか、「ボーナスを使った」と答えた人にボーナスの使いみちに満足しているか聞いた。結果は「満足している」と回答した人は85.9%(164人)、「後悔している」と回答した人は14.1%(27人)だった。それぞれの回答を選択した理由についても聞いている。こちらも筆者の独断でいくつか紹介しよう。

■満足している

  • 「高めの洋服を買った。ボーナスを貰ったら買うと決めていたから満足」(36歳女性 / 大阪府 / 未婚 / 医療・福祉・介護サービス / 事務・企画・経営関連)

  • 「定期預金と一泊旅行に使った。将来のためとプチ贅沢にバランス良く使えた」(48歳男性 / 東京都 / 未婚 / ビル管理・メンテナンス / 技能工・運輸・設備関連)

  • 「車の購入資金に充てた。老朽化していたので」(34歳男性 / 埼玉県 / 既婚 / サービス / 専門職関連)

  • 「自分へのご褒美に、美容院に行ったり、ブラウスやパンツなどを新調した。リフレッシュできたし、必要なものを買ったし、無駄遣いはしていないから」(44歳女性 / 石川県 / 未婚 / 教育 / 事務・企画・経営関連)

  • 「税金、借金、預貯金に使った。仕方のない出費なので諦めるしかないし、後悔しようがない」(59歳男性 / 静岡県 / 未婚 / 輸送用機器 / メカトロ関連技術職)

  • 「やっと旧式のノートパソコンを買い換えて、作業効率が上がった」(47歳男性 / 静岡県 / 未婚 / 流通・チェーンストア / 販売・サービス関連)

  • 「セール品の洋服や靴などを購入、プチ贅沢なランチも。安く買えた分は貯金でき、旅行でリフレッシュもしています」(50歳女性 / 福島県 / 未婚 / サービス / その他・専業主婦等)

  • 「車検と趣味に出費。以前から狙っていた商品を購入。ウチのような中小企業は、そもそもボーナスがちゃんと出た事で満足です」(42歳男性 / 京都府 / 未婚 / ディスプレイ・空間デザイン / 建築・土木関連技術職)

  • 「帰省の交通費に。年に数回しか会えない両親との時間のために使えた」(31歳男性 / 栃木県 / 既婚 / その他メーカー / その他技術職)

■後悔している

  • 「税金の支払い。自分のために使えなかった」(41歳男性 / 熊本県 / 既婚 / 海運・鉄道・空輸・陸運 / 技能工・運輸・設備関連)

  • 「貯金を考えていたのに、服やアクセサリーを買ってしまった」(30歳男性 / 愛知県 / 既婚 / 輸送用機器 / 販売・サービス関連)

  • 「家のローンの支払いで残っていない。もっと貰えれば、遊びにつかえたのに」(57歳女性 / 北海道 / 既婚 / その他 / その他・専業主婦等)

  • 「住宅ローンで残っていない。欲しいものも買えない」(42歳男性 / 大分県 / 既婚 / 医療・福祉・介護サービス / 専門サービス関連)

  • 「旅行に使って残っていない。もっと有意義に使えば良かったと思っている」(34歳男性 / 東京都 / 既婚 / コンピューター機器 / メカトロ関連技術職)

  • 「住宅ローン返済。バブル崩壊直後に、使い勝手の悪い建て売りを買ってしまった」(53歳男性 / 京都府 / 既婚 / 医療・福祉・介護サービス / 専門サービス関連)

  • 「家計に充てた。1割残っている。妻が根こそぎ奪う」(47歳男性 / 神奈川県 / 既婚 / ソフトウェア・情報処理 / IT関連技術職)

  • 「車の車検と車両保険の費用を支払った。自分の欲しかった物が買えなかったので生活の張り合いがなくなった。もっと必要経費を抑え、計画的にお金を使う方法を考えていきたい。普段からあまり期待を持たないようにする」(50歳男性 / 富山県 / 既婚 / その他 / 技能工・運輸・設備関連)

■総評

今回の調査では、62.2%と半数以上が夏のボーナスを貰っていることがわかった。また、ボーナスの残額については約4割(38.6%)が「全額残っている」と回答していることがわかった。

ボーナスの用途は、親しい人へのプレゼント、自分へのご褒美、交遊費、旅行費、貯蓄など十人十色。またボーナスというと、つい華やかな使い道を想像しがちだが、実際は子供の教育費、ローン、税金、住居の更新費、借金返済などに充てている人も多かった。 ボーナスの使い方や満足度には、その人の人生観が透けて見える。「美容院に行けたし洋服も買えたから満足」という女性もいれば、「税金や借金に充てたが満足している」という男性もいた。「ウチのような中小企業はボーナスが出ただけで満足」という回答には貰った額の問題ではないのだ、と改めて考えさせられる。

またボーナスを思うように使えなかった人たちの回答は人間味にあふれていた。全額を旅行に費やした34歳の既婚男性は「もっと有意義に使えば良かった」と回答。旅行先で嫌なことがあったのか、あるいは別のことに使う予定が、旅行好きの妻に付き合わざるを得なかったのか。バブル崩壊の直後に購入した使い勝手の悪い建て売りの住宅ローンをいまだに返済しているという53歳の既婚男性もいた。夢のマイホームにも明暗が分かれる。単刀直入に「妻が根こそぎ奪う」と回答した47歳の既婚男性。夏のボーナスは残りあと1割だという。50歳男性は「自分の欲しかった物が買えなかったので生活の張り合いがなくなった」と回答。限りあるお金をいかに有効に、気持ち良く使えるか。それが、その後の就業意欲にも影響してくる。

調査時期: 2017年7月14日
調査対象: マイナビニュース会員
調査数: 会社員500名
調査方法: インターネットログイン式アンケート

※写真と本文は関係ありません