SNSやブログによって「個人のメディア化」が加速している昨今、CMを見て気になる出演者がいれば、ネット検索で解決できる時代になった。所属事務所の告知や出演者本人がSNSで発信した内容など、ネット上の情報をもとにその人物の名前と経歴をまとめた記事を数多く見掛ける。連載「CMで気になるアノ人」はCMで一際目を引く人物にスポットを当て、ネット上の情報だけじゃなく本人コメントなどの「その先」を取材する。

第1回は、マンナンライフ「クラッシュタイプの蒟蒻畑」のCMに出演する森郁月(28=もり・かつき)。「すみません、ボーッとしてたら反対側の電車に乗っちゃって」と上司に電話で報告する女性(「反対の電車」編)、会社の後輩からのメール「来週、打ち上げしません? 2人で」に戸惑うメガネ姿の女性(「マボロシ」編)の二役を演じている。

「反対の電車」編

スターダストプロモーション所属。中学三年生の時に東京でスカウトされ、その後、地元大阪でモデルとして活動。大学進学を機に上京。数多くのCMに起用され、ファッション誌『MORE』『BAILA』(集英社)のモデルとして活動したのち、2010年の舞台出演をきっかけに俳優活動を本格的にはじめ、『ストロベリーナイト アフター・ザ・インビジブルレイン』(13年)、『ミス・パイロット』(13年)、『銭形警部』(17年・WOWOW)、などに出演。女優経験も抱負な人物だ。

森郁月コメント

森郁月

(監督から)「こういう表情で」と決められていた訳ではなく、監督とストーリーと役の状況設定を細かく話した上で自由にやらせていただきました。

「反対の電車」編は、いつも真面目に仕事を頑張っているのだけど、疲れて気づいたら反対方向に乗ってしまっていて……慌てて飛び降りたホームからみえた綺麗な海で気持ちがほぐれます。「すっきりすれば、いいことあるよ」というコピーは彼女の「大丈夫、すっきりしてまた始めよう」という肩の力を抜きつつ、前向きになった気持ちを表しています。

「マボロシ」編は、どちらかと言えば男っ気のないOLが、同じ職場の後輩から個人的なお誘いを受けます。想定外のメールに冷静を装おうとしつつも、内心はドキドキ嬉しくて、次の日の朝、1人で歩きながらつい飛び跳ねちゃいます。

どのカットも長回しで撮っていったので、流れの中でお芝居のアイデアを出していくことができて楽しかったです。海での撮影は本当に気持ちよく、その時に自然に感じた気持ちがそのまま出せたと思います。「マボロシ」編でのナレーションでは「まぼろし」という言葉が言い慣れず固くなってしまって……少し苦労しました。

舞台の稽古期間中なのですが、稽古場でキャストのみなさんに「見たよ!」と声をかけていただいています。CMを見て「スッキリしたらいいことあるかも」って前向きに思ってもらえたら嬉しいです。

「マボロシ」編

マネージャーより

――これまでたくさんのCMに出演してこられましたが、どのようなところが起用へとつながっていると思いますか?

ナチュラルな存在感があり、向上心が高く感受性豊かなところが印象に残るからだと思います。真摯に取り組む芝居に監督や演出家からのリピートも多く、益々の活躍を期待しています。

■プロフィール
森郁月(もり・かつき)
1988年12月27日生まれ。大阪府出身。これまで10社以上のCMに起用され、モデルや女優として活動。現在、明治座舞台『ふるあめりかに袖はぬらさじ』に出演中(8月6日まで上演)。公開待機作は、映画『ユートピア』(17年夏公開予定)、映画『Sea Opening』(18年早春公開予定)。