独自性を発揮したレクサス

レクサスインターナショナルのプレジデントを務める澤良宏氏は、レクサスのDNAは「乗り心地、静粛性、滑らかな走り」にあるとし、新開発の「GA-Lプラットフォーム」を採用したこともあり、「エモーショナルな走り」の部分が進化していることを強調した。パワーユニット1つをとってみても、新開発の「V6 3.5L ツインターボエンジン」と「10速AT」の組み合わせにより、先代のV8エンジンを凌駕する加速を実現できているとする。このように、走りやデザインの部分も進化しているのだが、今回の発表会でトヨタがフィーチャーしたのは予防安全技術だった。

デザインも走りも進化している

レクサスの販売台数は、2016年(暦年)で約67.7万台。前年比104%で過去最高の実績だが、ジャーマンスリーの台数には及ばない。この分野で先行するジャーマンスリーに対し、レクサスは「28年の若いブランド」だと認める澤プレジデント。重視しているのは独自性だという。後発企業が歴史の差を埋めるのは不可能だが、独自の先進技術を投入した分、少なくとも予防安全技術の面では、新型LSは先行3社に差をつけたと言えるだろう。

初代LSの衝撃を超えるクルマづくりを目指したという澤プレジデント

澤プレジデントが披露したエピソードによると、プレミアムカー分野では以前、あまり静粛性を話題にする勢力はなかったそうだが、レクサスが高い静粛性を実現したことで、その部分の磨きこみにジャーマンスリーも注力するようになったそうだ。プレミアムカー分野では互いのベンチマーキングが活発らしいので、レクサスが実現した先進的な予防安全技術を、他の陣営が採用するかどうかも1つの注目ポイントになりそうだ。