西日本鉄道は23日、柳川観光列車「水都」の車両・デザインをリニューアルし、7月22日から運行開始すると発表した。現行の8000形6両編成から3000形6両編成(3両編成×2編成)へ車両代替を実施し、無料公衆無線LANサービス「Nishitetsu Train Free Wi-Fi」を新たに導入する。7月22日に西鉄福岡(天神)駅で引継式も予定されている。

現行の8000形「水都」は7月22日をもって引退

柳川観光列車「水都」は8000形1編成(8061編成)をリニューアルし、おもに天神大牟田線西鉄福岡(天神)~大牟田間の特急として運行される。「柳川の四季」をデザインテーマに、内外装ともに日本の伝統色を用い、柳川の物産品を展示するディスプレイキャビネットや記念スタンプ台も車内に設置された。「平成27年10月4日の運行開始以来、国内外の多くのお客さまにご乗車いただいております」とのこと。

8000形は1989年にデビューし、特急用電車として活躍した車両だが、近年は3000形の増備などによる車両代替が進み、現在は柳川観光列車「水都」(8061編成)・大宰府観光列車「旅人」(8051編成)の2編成を残すのみに。「水都」の編成も製造初年から29年経過しており、3000形への車両代替にともない7月22日の運行をもって引退することになった。

3000形「水都」は現行のデザインテーマ「柳川の四季」を踏襲しつつ、城下町柳川に息づく武家文化を象徴する色として、格式と気品を現す漆黒色をすべての車両に追加。1号車(大牟田方面の先頭車)は木蘭色・漆黒色で「秋・冬 -菊の節句と御花に越冬する鴨-」、2号車は濃藍色・漆黒色で「夏・秋 -有明海花火フェスタと白秋祭-」、3号車は灰緑色・漆黒色で「初夏 -花菖蒲-」、4号車は深緑色・漆黒色で「初夏 -からたちの花-」、5号車は紺青色・漆黒色で「春 -柳の新緑と水面-」、6号車(福岡天神方面の先頭車)は臙脂色・漆黒色で「春 -柳川まりと雛祭り-」をイメージした外装となる。

2号車の車内にディスプレイキャビネットを設置し、柳川観光パンフレットや物産品に加え、立花家史料館から寄贈された柳川藩主立花家伝来品をイメージさせる文化財レプリカも展示。柳川藩主立花家の鎧や刀などを紹介する記念乗車カードも各車両に展示し、車内でも城下町柳川の文化を楽しめるという。無料公衆無線LANサービス「Nishitetsu Train Free Wi-Fi」は、訪日外国人観光客など来街者の利便性向上を目的に導入される。

8000形「水都」運行最終日、3000形「水都」運行開始日の7月22日、西鉄福岡(天神)駅で引継式を開催する。3000形「水都」は10時32分に3番線ホームに入線。8000形「水都」は筑紫駅を10時7分に発車する西鉄福岡(天神)行普通が最終運行となり、10時50分に2番線ホームに入線する。レバーシングハンドル継承式の後、11時0分に3000形「水都」が西鉄福岡(天神)駅を発車。11時5分に8000形「水都」(回送運行)が発車予定となっている。