有力企業が集結、トヨタとはライバル?

インテルは2016年に自動運転事業本部を立ち上げ、2017年1月にはIntel GOを発表した。3月には、単眼カメラと画像処理半導体による衝突防止システムで実績のあるイスラエルのモービルアイを約150億ドルで買収する意向だと発表。現時点で、インテル陣営にはBMW、モービルアイ、米国の自動車部品大手デルファイ(Delphi)、最近になって提携を発表した独コンチネンタルらが名を連ねる。デジタル地図を手掛ける独ヒア(HERE)にも、インテルは15%の出資を行っている。

アライアンス形成のほかにも戦略的な取り組みを進めるインテル。自動運転社会が到来すれば、2050年までに「移動の経済(Passenger Economy)」は7兆ドル規模に達すると試算する

自動運転を軸にアライアンスの構築を進めるインテルだが、日本企業との関係はどのような状況なのだろうか。

インテル執行役員の大野誠氏

日本企業ではトヨタ自動車が米エヌビディアと提携したので、おそらくインテル陣営とはライバル関係になる。スバルとマツダはトヨタと提携関係にあるので、インテル陣営に入るのは難しそうだ。本田技研工業はグーグル系の米ウェイモと自動運転の共同研究について検討中。日産自動車はDeNAと自動運転車両を使った新たな交通サービスプラットフォームの開発で合意している。

インテル執行役員でオートモーティブ担当の大野誠氏によると、日本での取り組みについて現時点で報告することはないそうだが、積極的な活動は進めているとして今後の展開に含みを持たせていた。いずれかの自動車メーカーがインテルと組むことになるのか、あるいは別の方向性があり得るのか。自動運転社会を見据えた世界的な合従連衡も待ったなしの情勢だ。