ところが、保険販売員からC君を受取人にすると、税金面で不利とのアドバイスを受けました。一体どういうことでしょうか。

生命保険の保険金には税金がかかります。契約者・被保険者・受取人の関係によって、相続税や所得税、贈与税というように税金の種類が変わり、せっかく保険金を受け取っても税金の支払いで不利益を被ることになってしまうケースもあるのです。そのため、契約者・被保険者・受取人の意味を知るだけでなく、それぞれのお金の支払いと受取の関係を正しく理解しておくことが大切なのです。

そもそも生命保険の目的は、死亡保険金で残された遺族の生活を保障するというもの。だからこそ、AさんとしてはC君の母親であるBさんが万一死亡した際には、「夫である自分よりも息子であるC君に保険金を」という考えになるのもわかります。

しかし、保険金の対価として保険料を支払っているのは契約者であるAさんです。保険会社を経由してはいるものの、AさんがC君にお金をあげた(贈与した)ということになり、C君に贈与税がかかってしまうのです。

生命保険には税制面のさまざまな優遇措置がありますが、保険契約者が被保険者や受取人を決定する際に適切に決めておかなければ、生命保険料控除や医療費控除、死亡保険金に対する非課税限度額制度などに大きく影響を及ぼします。契約時にはよく考えて決めるようにしてくださいね。

※写真と本文は関係ありません

筆者プロフィール: 武田明日香(たけだ あすか)

エフピーウーマン所属、ファイナンシャルプランナー。日本テレビ「ZIP!」やTBSテレビ「あなたの損を取り戻せ 差がつく! トラベル! 」、「Saita」「andGIRL」等の雑誌、「web R25」「わたしのマネー術」等のウェブサイトなど幅広いメディアを通じ、お金とキャリアの両面から女性が豊かな人生を送るための知識を伝えている。お金の知識が身につく初心者向けマネーセミナー受付中(受講料無料)。