フジテレビの新「月9」ドラマとして4月よりスタートした『貴族探偵』(毎週月曜21:00~)。武井咲、生瀬勝久、井川遥、滝藤賢一、中山美穂、松重豊、仲間由紀恵……と豪華なレギュラーメンバーと、”推理しない”探偵という斬新な設定で話題を呼んでいる。

タイトル・ロールである貴族探偵を演じる嵐の相葉雅紀は、2015年に放送されたドラマ『ようこそ、わが家へ』以来のドラマ主演となる。制作陣から見た相葉はどのような存在なのか、そしてなかなか類を見ない”貴族”役の苦労について、同局 羽鳥健一プロデューサーに話を聞いた。

■羽鳥健一
フジテレビジョン 制作局 プロデューサー。これまでに手がけた番組は『信長協奏曲』『ようこそ、わが家へ』『カインとアベル』など。

周りが勝手に動いてくれる主人公

――最近の月9枠は恋愛回帰というイメージもあり、今回この作品というのは、振り切った印象がありますが。

そうですね。でも月9には主役がヒーローの作品が割とあって、ニューヒーローとして見ていただければと思います。ただし、率先して周囲を引っ張るタイプではなく、周りが彼のために動いていくヒーローです。いつも中心には”貴族”がいるという形です。

――そういう感覚は、主演の相葉さんが持つところと近いですか?

相葉くんも、自分をリーダータイプの人間だと思ってませんからね(笑)。だけど、中心にいるんですよ。彼の一生懸命な姿を見て、みんなが彼のことを好きになってしまう。相葉くん自身は「座長とかリーダーとかの柄じゃない」と言いながらも、いつの間にか中心に存在しているんですよ、必ず。みんなが相葉くんのために頑張ろうって思うし、思わされる。

――ご自身でも、相葉さんに対してそう思われることは多いんですか?

いつも思っています。撮影している時も、彼が取材を受けている時も、会話をしている時も、本当にいつも感じています。彼は自然体なんだけど、それはすごく高次元の自然体で、高みにいる人なんだと思います。でも彼はそれが特別なことだとは思ってなくて……本当に、スターとしか言いようがありません(笑)。

――ちなみに今回、「月9」30周年記念作品という触れ込みもありましたが、狙って企画されたんですか?

我々も企画が決まってから、はたと「30周年だ」と気付いた経緯がありまして。企画が通った時には誰も気づいてなかったんです。こんなに重い冠を背負わされることになるとは(笑)。でも、多くの方々に興味を持っていただくきっかけになっていれば嬉しいです。

現在40代~50代の人たちにとってのこの30年間って、ちょうど青春時代から今に至る期間で、みんな月9のドラマを大なり小なり見たことがると思うんですよね。僕自身がそうですし、多感な時期に月9のドラマを見て、何らかの思い出がある視聴者の方って割と多くいらっしゃるんじゃないかと思います。『教師びんびん物語』から始まって、『東京ラブストーリー』とか『ひとつ屋根の下』とか、友達同士で話題にして。

”30周年”という冠がつくことによって、「月9」の文字をいろいろなところで目にする機会が増えて、青春時代の思い出や気持ちみたいなものを沸き返らせるきっかけになってもらえると嬉しいですね。そして、ちょっと久しぶりに月9見てみるか、という気持ちになってもらえたら言うことありません(笑)。最初は戸惑いましたが、今はもう”節目の月9と”いうことで、観てもらえる機会が普段よりも多くなるかもしれない、とポジティブに受け止め、インタビューの時もきちんと答えられるように想定問答を考えています(笑)。