俳優の木村拓哉(44)、歌舞伎俳優の市川海老蔵(39)らが29日、東京・有楽町の丸の内ピカデリーで行われた映画『無限の住人』の初日舞台あいさつに出席。共演エピソードを語った。

市川海老蔵

本作は漫画家・沙村広明氏の同名漫画を原作に、三池崇史監督がメガホンを取った作品。興行収入41億円を記録した『武士の一分』(06年)以来の時代劇主演に挑む木村が百人斬りの異名を持つ不死身の侍・万次を、海老蔵が逸刀流の剣士で同じく不死身の閑馬永空を演じる。

2人は劇中で対峙し、壮絶な斬り合いを繰り広げる。海老蔵は「お互い死なない」「いろいろなものを抱えている」と役柄の背景に触れ、「そういう中で場所を見つけて。男と男の向き合う時間」と説明。「もちろん殺陣師の方が振りをつけられるんですが、木村拓哉さんという方は自分のアイデアを『もっとよくしたい』『もっとすばらしいものにしたい』『よりリアルで、もっと刺激にあるものにしたい』という感覚が人より多い」と印象を伝えた。

その時のやりとりは、「『おい海老蔵! こうやるからこうやってくれ』みたいな」。木村がこれに「そんな言い方してないよ」と反応すると場内は笑いに包まれ、海老蔵は「すごく楽しかったです」といたずらっぽい笑顔を見せた。

撮影中の海老蔵は、夜に歌舞伎やテレビ出演に追われ、早朝から本作という多忙な日々。現場が肌寒い中、木村から「これ温かいからここに入れろ」と缶コーヒーを手渡されたことがあったという。「撮影の現場で、缶コーヒーを天下の木村拓哉とここ(衣装の中)に入れながら寒さをこらえるという」と楽しげに振り返り、「たいして寒くないんですけど、木村さんからもらったら『あ、温かいっすね』と言わざるをえない」とオチをつけて盛り上げていた。

舞台あいさつには木村、海老蔵のほか、杉咲花(19)、福士蒼汰(23)、市原隼人(30)、戸田恵梨香(28)、満島真之介(27)、三池崇史監督(56)が出席した。

左から三池崇史監督、市川海老蔵、戸田恵梨香、福士蒼汰、杉咲花、市原隼人、満島真之介