京都大学発のベンチャー企業であり、電気自動車メーカーのGLMが4月18日、日本初のEVスーパーカー「GLM-G4」のジャパンプレミアを行った。想定価格は4,000万円で、2019年の量産をめざすという。都内の発表会会場にて、そのコンセプトモデルを見学した。

「GLM-G4」のジャパンプレミアが都内で開催された

「EV版のフェラーリ」をめざして開発された「GLM-G4」

この日、日本初公開となったのは国産EVスーパーカー「GLM-G4」のコンセプトモデル。専用開発のモーターを車両の前後に2機搭載した四輪駆動車で、最高出力400kw(540ps)、最大トルク1000N-mを発揮し、最高速度は250km/hに達する。路面状況に応じて、2機のモーターがそれぞれタイヤの回転力を調整する制御技術の搭載などにより、世界の名だたる高級スポーツカーと比べてもひけをとらない0-100km加速3.7秒を実現。その他、サイズや重量などの各仕様は、開発過程で決定していくとのことだ。

EVベンチャーであるGLMは「和製テスラ」と呼ばれることも多いそうだが、今回公開された「GLM-G4」の想定価格は、テスラ車の数倍となる4,000万円。同社取締役の田中智久氏は、「たとえて言うなら、私たちがめざすのは『EV版のフェラーリ』」と話していた。国内外で1,000台の販売を目標に、欧州や中東、中国、香港での販売を計画しているという。「GLM-G4」は昨秋のパリモーターショーにてワールドプレミアを果たしており、今回展示されたコンセプトモデルも左ハンドル仕様だった。

外観はスーパーカー然としたクーペスタイルだが、シザーズ式で前後に高く跳ね上がるドアを4枚備えている。乗車定員も4名で、フロント・リヤともにスポーツタイプのシートが導入されていた。これまでにも4人乗りのスーパーカーというのはあったが、「GLM-G4」のワイド&ローなスタイリングに、決しておまけ程度ではないリヤシートと乗車空間という組み合わせは目を引いた。

「日本で最も新しい自動車メーカー」が開発するEV

「GLM-G4」のアンベールに際し登壇した、GLM代表取締役社長の小間裕康氏は、「GLMは日本で最も新しい自動車メーカー」であると説明。既存車をEV仕様に改造する「コンバージョンEV」ではなく、ゼロからEV車「トミーカイラ ZZ」(トミタ夢工場による1997年発売のガソリン車「トミーカイラ ZZ」からコンセプトや車名などを継承した新開発のEV車)を開発し、国内認証を取得して量産化にこぎつけた軌跡や、その生産体制を説明した。

GLMでは、部品そのものは製造せず、安川電機やオムロンといった日本のトップ企業をはじめ国内外170社から調達したり、共同開発を行ったりしているという。また、クルマの中身にあたるプラットフォームと外装部分を完全に分離。モジュール化されたプラットフォームそのものや、その技術ノウハウを販売するビジネスも展開するとのことだった。

「GLM-G4」も「トミーカイラ ZZ」と同様、プラットフォームと外装を分離して開発が進められており、現在は専用のパワートレインや電子制御装置を協力会社と共同で開発しているそう。2019年の量産開始をめざし、「年内には『GLM-G4』が走行しているシーンを、なんらかの形で皆さまにお披露目したい」と小間氏は述べた。

会場では「GLM-G4」の他に「トミーカイラ ZZ」やそのプラットフォームも展示された